2015.11.22

固定資産の細かい論点

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

『資産評価及び固定資産台帳整備の手引き』第18項以降に、「固定資産台帳の記載対象範囲」という記述があります。

 原則、すべての固定資産を、固定資産台帳に記載する(第18項)。

 ただし、一定の場合には、次の場合は、原則として固定資産台帳に記載しない(第19項)、と。

1)既に耐用年数が過ぎているもの
2)赤線や青線といった法定外公共物
3)部落有、財産区有の資産

 この中で、1)については、実は耐用年数が過ぎているから重要でない、という判断はできません。金額的重要性はともかく、資産の性質上、重要性がある場合もありますし、将来の整備費用を把握するには、耐用年数が過ぎている資産こそ重要という判断もありえます。

 そのため『手引き』にも「原則として資産として記載しない」としながらも、「将来の更新費用の算定に必要」な場合には「記載することが適当」としています。

 実際、台帳整備にあたっては、記載している自治体も多いことと思います。
 
 
 もう1つ、細かい話ですが、固定資産の取得価額には消費税を含めた金額を採用します(第39項)。

 これは当たり前の話で、基本的に自治体が消費税の納税義務者になることはありません。民間企業においても、消費税の免税事業者には「税抜き」という発想がないのと同様、自治体においても「税抜き」という発想はありません。

 税抜き処理か、税込み処理かを考える必要があるのは、あくまで、消費税の課税事業者のみ。免税事業者が、仮に1,080円で物を売ったとしても、それは、「価格1,000円+消費税80円」なのではなく、「価格1,080円」というに過ぎないのです。
 
 
 細かい話ですが、実務上はよく疑問に思われる点だと思いますので、少しまとめておきました。今後も、こうした「実際に処理するに当たって気になる点」を少しずつご紹介できればと考えています。


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