2015.09.20
中立はどこにある
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
美容整形外科の高須クリニックが、テレビ朝日系列『報道ステーション』のスポンサーを降板するそうです。
「報ステの放送を視聴したとする高須氏は「失望しました。来月からスポンサーやめます」などと(ツイッターで)記した」(17日、スポーツ報知)。
ここ1年ほどの間、各自治体でも「平和」や「憲法」をテーマにした集会を後援しない、といった動きが相次ぎました。
政治的に偏っている、特定の主張を支援できない、自治体は中立でなければならない。
そんな理由からのようです。
中立って、何でしょう。
中立って、どこにあるのでしょう。
高須クリニックも集会を後援しない自治体も、通底しているのは、視聴者や市民の知性を蔑ろにする姿勢です。視聴者や市民は、報道や集会を丸ごと信じてしまう。だから、そういった「偏った」主張をする報道や集会は、つぶさなければならない。
そこには、相手の「自分で考える知性」に対する信頼もなければ、敬意もありません。
そういう姿勢の人たちが語る「中立」は、すでに中立ではないと私は思います。
あらためて、中立とは何か。
それは、相手の存在に敬意を持つこと。
それは、相手の考える力を信じること。
そして、その判断材料を提供すること。
セールスとマーケティングは違う、とおっしゃったのは、弘中勝さんです。売るための情報提供をすることと、お客さんが買うかどうかの判断材料を提供することは、違うと。
中立という位置がどこかにあるのではなく、1人ひとりの中にある。そう信じられる姿勢こそ、中立の意味するところなのではないでしょうか。