2015.05.31

赤字が当然

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 先日、とある医師の先生と話をしていたときのこと。

 病院の赤字が問題のように言われるけれど、でも赤字は当然で、赤字だからこそ税金を使い、再配分するのではないか、という話をされました。

 その通りだと思います。

 病院に限らず、そもそも自治体が担う業務というのは、赤字か黒字かという議論にそぐわない分野ばかり。教育しかり、医療しかり、道路しかり、社会保障しかり。赤字だから、じゃあやめます、というわけにはいかない。そんなことをしたら、まともな大人が育たず、健康を害した人が治療を受けられず、生活の糧を失った人が生きていけない。

 だから、赤字が当たり前、持ち出しが当たり前でも、制度を維持していかなければなりません。

 もちろん、だからといって、赤字を垂れ流し続けることがいいというわけではないでしょう。構造的に赤字となる事業の中で、いかにモラルを保ち、責任者や働く人たちのモチベーションを保つか。そういう視点での議論は、常に積み重ねていかなければならないのだと思います。
 
 
 民間の発想。
 民間企業ではあり得ない。

 そんなことが言われるようになって久しいのですが、安易な民間の発想は、自治体に馴染まないもの。そんな常識が、少しずつでも広がっていくことを願ってやみません。



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