2015.05.10
壊すことと守ること
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
昨日、新幹線に乗っている時に、電話がぶーぶー(マナーモード)と鳴りました。車内で出られませんでしたので、降りた後に確認すると、0120のフリーダイヤルからかかってきている。メッセージも入っていたので何だろうと聞いてみると、おそらく維新からの一斉電話でしょうか。
5月17日が都構想を巡る住民投票の日。
大阪府と大阪市の行政はこのままではいけない。
行税の無駄をなくすため、当日は是非賛成投票を。
おそらく維新の代表(?)の方の声によるメッセージは途中で切れていましたが、概ねそんな内容でした。
そもそも、なぜ電話がかかってきたんだろう。メッセージを聞いて最初にそう感じました。その時、大阪市内にいたわけではありません。おそらく個人事務所が大阪市内にあり、その電話から携帯電話への転送設定をしているからなのでしょう。06から始まる電話番号に一斉コールしているのでしょうか。
次に感じたのは、つくるよりも壊すことが、今、あちらこちらで進行しているということ。何かをつくるというのは、とても面倒で、手間もかかること。その反面、何かを壊すことは、とても簡単なこと。本来自治権限を大きく持つはずの大阪市を壊して、その権限を大阪府(住民投票で賛成多数でも「大阪都」にはなりません)に返上することの意味が、私は未だにまったく理解できないでいます。
まったく別の世界ですが、大相撲の広報を担っている八角親方(元横綱北勝海)は、こうおっしゃっています。
「改革というと聞こえが良いが、守ることの方が難しい」(8日、日経MJ)
改革という名の下に、壊すことで何かをした気になるのでは、本末転倒もいいところです。一度壊したものを元に戻すには、壊すよりも10倍以上の労力がかかるでしょう。一度壊れた信頼関係を修復するのに、膨大なエネルギーを要するように。
私に17日の投票権はありませんが、しっかり見つめていかなければと考えています。