2016.06.05
実行者として
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
“C.P.A.NEWS”という機関誌があります。日本公認会計士協会近畿会が毎月発行しているニュースレターです。
その5月号冒頭に、和歌山県の仁坂吉伸知事へのインタビュー記事が掲載されていました。記事全体は3ページで、人口、子育て、会計士への期待、が主な内容となっています。
その中で仁坂知事が、公認会計士や弁護士に期待する役割を語っておられますので、少し紹介してみます。
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行政の観点から公認会計士や弁護士に期待されているのは、包括外部監査をはじめとする「見張り」という立場の役割です。
私は、見張るのも大事だけれども、公認会計士や弁護士といった専門家にはむしろ別の役割の方に期待を持っております。
それは、知恵者としての原動力・駆動力、つまり、政策等を企画・実行し、また、その際に生じる問題を解決するための“企画マン”としての役割に期待しております。
その政策等が終われば、また、次の別のところに行き、“企画マン”として働く。常に一番必要とされているところで働くといった形であまりポストを固定的に縛らなくてもいいかと思います。
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なかなかハードルの高い要望だと感じます。監査、という仕事の性質上、会計士は“企画マン”としての職業訓練(経験)は一切積んでいないはず。
ふと思い出したのは、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんの言葉です。5月29日の日経新聞に掲載されていました。
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経営学修士号(MBA)が邪魔になっている人がすごくいる。ケーススタディーを知っていて分析する力もあるから『自分はできる人材だ』と勘違いをしている。特に外資系企業やコンサルタント会社からやってきた人に多い。外資系は本国の指示で動くから自分で実行しようとしない。コンサルタント会社の業務は経営者に『問題点はここです。こう改善すべきです』と説明して終わり。だからこうした人たちには、『実行するのはあなたたちですよ』と言い続けている。
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言いっぱなしはよろしくない。
その後の実効(実行)性をどう担保するか。
そんなことを考えさせられるお2人の言葉です。