2016.05.15
二者択一ではなく
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
単式簿記か複式簿記か。
現金主義か発生主義か。
地方自治体の会計と、民間企業の会計を比較するとき、ややもすればそういう単純な構造で語られてしまうケースが多いように感じます。
でも、おそらくは、
単式簿記も複式簿記も
現金主義も発生主義も
なのだと思います。地方自治体の制度会計として、単式簿記・現金主義が採用され、長い年月を積み重ねてきたことには、それなりの理由があるはず。そこにしっかり目を向けた上で、複式簿記・発生主義の効用をいかす。そんな視点が必要なのではないか、と。
民間企業でも、貸借対照表(財産目録)が重視された時代があり、損益計算書が重視される時代に移りました。一方、損益を取り繕って、資金繰りが回らず倒産する会社も登場。キャッシュフロー計算書が導入され、それこそ「単式簿記も複式簿記も」状態になっています。
単式簿記も複式簿記も。
民間企業も地方自治体も。
それぞれの役割と居場所を共通認識することから始めたいと思います。