2016.05.08
学校と無線LAN
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
今日の日本経済新聞1面トップ記事は、「全小中高に無線LAN 電子教科書に対応」というタイトルでした。
「総務省は2020年までに全国すべての小・中・高校に無線LAN「Wi-Fi」を導入する方針だ。教科書の内容をタブレット端末などに収めた「デジタル教科書」の普及に向け、導入費用の半分を補助する」。
導入費用というのは、具体的にはルーターのようです。学校としての付加価値は高まるのでしょうが、ルーター自身、単独では資産計上が必要な金額とはならないでしょう。
それはいいのですが、気になったのは教科書が電子化される、ということ。その効用を、記事ではこう述べています。
「音声や動画を盛り込めるため、学習内容の理解が深まりやすいとされる」。
なるほど、とは思います。
ただ、自分でも気をつけていることなのですが、パソコンやタブレット端末を使うことの最大の問題は、画面に見入ってしまい相手の顔を見なくなること。教育現場で言えば、生徒が先生の顔を見なくなる、と。長い目で見ると、この弊害のほうが大きいのではないかと思います。
せめて、小学校くらい、紙の教科書でもいいのではないでしょうか。患者の顔を見ない医者を信頼できないのと同じで、人の顔を見ない小学生を想像したくありません。
現実的には、正式な教科書に位置づけるには法改正が必要で、端末代金を誰が負担するかなどの課題が残るのだとか。科学の進歩が止まらないのと同じで、時代の流れが止まらないことも理解しますが、でも、あえて立ち止まらなければならない場面もあると、私は思っています。