2016.10.30
三次元くん
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
公会計(もっと広く行政サービスの提供)における独自の視点の1つは、現役世代と将来世代、という発想でしょうか。
先日、ある方の話を聞いている時、自治体が何か施設を作るにしても行政サービスを提供するにしても、その原資を将来世代に負担させるためにあえて公債を発行する、という趣旨の発言がありました。
あえて、なのか、純粋に資金調達という視点なのかはさておき、いずれにしても現役世代と将来世代の負担と受益をどう考えるのか、は重要な視点の1つでしょう。
ある自治体では、
社会資本形成の世代間負担比率=負債÷(事業用資産+インフラ資産)
という比率を公表しています。資産残高に占める負債残高の割合を将来世代の負担と位置付ける、という意味でしょう。
また、別の自治体では、
社会資本形成の将来世代負担比率=(地方債残高+未払金残高)÷公共資産合計
という比率を公表しています。未払金を加えていますが、基本的には上の指標と同じ意味合いだと思われます。
かつて、監査法人在籍時代に経理担当者の方から、「試算表を三次元で作ることはできないのでしょうか」と質問されたことがあります。その時は唖然として、何と答えたのかも覚えていません。しばらく監査チームでは「三次元くん」という呼称が話題になったことだけ覚えています(すみません)。
でも、今となっては四次元で試算表なり財務書類を作りたいところ。しばらくは、こうした指標に慣れ親しんでいくことになるとは思うのですが。