2016.10.09
公務員という語り口
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
先週、小池百合子東京知事の話を出しましたが、6日の日本経済新聞で元鳥取県知事の片山善博さんが語っておられます。
「都知事選では私自身の名前も浮上したが、私ならこんなドラスチックな改革はできなかっただろう。豊洲問題などは見過ごしたかもしれない」。
そう語る片山さんは、豊洲の盛り土がなかった問題について、「当初から責任者を特定できないと思っていた」とおっしゃっています。
「小池知事は誰かの明確な意思で決まったと予測しただろうが、役所はそんなものではない。都庁にそんなリーダーシップを発揮できる職員はたぶんいない。逆にいなかったことが問題ともいえるが、これがルーズな役所の特徴だ」。
鳥取県知事を2期8年務められた片山さんですから、その実感に基づいた言葉なのでしょう。
それを否定も肯定もしないのですが、私が思うのは、「だから公務員は・・」という論調は大変危険である、ということ。もちろん、豊洲の無責任問題が救いようのないことはその通りですし、それを「公務員」という口調で語ってしまうことは、ある種気持ちよくもあるでしょう。
でも、敵や責めるべき相手を見つけて、一本取ったような口調で語ることは、よほど注意しておかないと陶酔感を生むばかりで現場が見えなくなる危険があると、私は思っています。
責任を回避しようとするのは、公務員の特徴ではなく、人間の本性でしょう。公務員に限らず、責任逃れや言い訳をする人は、山ほどいます。公務員の場合、その傾向が強いのかもしれませんが、大きな視点で見れば大差ないのではないでしょうか。
先週も、今週も、素晴らしい公務員の方々と仕事をしました。そんな私の実感です。