2016.09.11

簿記の順番

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 単式簿記から複式簿記へ。

 これが簿記の進化の通説です。

 以前、ある本を読みました。その本には、通説は誤りで、簿記は複式簿記として発生し、その後、簡略化した単式簿記が生まれた、と書いてありました。

 なるほど、と思った。

 今、ある本を読んでいます。その本には、複式簿記が先に発生したとする説があるが、貨幣の登場とともに「何らかの記録」がなされるようになり、その後、今の複式簿記が登場した、と書いてありました。つまり、複式簿記登場前に、何らかの簿記があったはずであり、それを「簿記」と呼ぶかどうかは定義の問題だ、と。

 なるほど、と思いました。

 先の説を読んで、なるほどと思っていましたが、欠けていたのは想像力です。貨幣が登場して、誰かにお金を貸すようになってきたから、その記録をつけるようになった。その時代のことを想像すれば、いきなり今の定義で言う「複式簿記」が登場したとは考えにくいでしょう。何と呼ぶかはともかく、複式簿記以前に何らかの簿記があったと考えるのが、自然だと思います。

 いろんな視点の考えに触れなければいけない。
 今、目の前にない世界への想像力を働かせなければいけない。

 そんなことを、あらためて感じています。




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