2016.08.28

やればできる、のか

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 22日の日本経済新聞に、「町再生「やればできる」」として、北海道・夕張市長の鈴木直道さんが寄稿されていました。

「経験のある人とない人では社会人になったときのベースが全然違う。もう絶対にしたくないと思う最低の経験と、最高の思い出を両方作ってほしい。やっておけばと後悔しても時間は戻らない」

 そう語る鈴木さんは、中学生のときはグレていたそうです。ご両親は仲が悪く、家にいるといつもケンカ。家に帰りたくなくてゲームセンターをふらつき、風貌もロン毛だった、と。

 そして、高校に入ったころにご両親が離婚。お母様について夜逃げ同然で家を出て、唯一の男手として高校に通いながらバイトで生活を支えた。そんなとき、行政のありがたみを感じたといいます。「本当に苦しい人に手を差し伸べる仕事の必要性を体験として思い知った」。
 
 
 タイトルの「やればできる」は、グレていた中学校時代、授業中にガムを噛んでいて社会の先生に呼び出されたときの体験から。

「「また殴られる」と思っていると、鈴木英雄先生は泣いていた。「お前はやればできるんだ」。先生が自分のために泣くなんて、初めての経験だった。次のテストは鈴木先生の教科だけ真面目に勉強してみた。いつも白紙のテストで80点くらい取れた。「な、やればできるって言ったろ」」
 
 
 挫折後の立ち直り。
 どん底からの復活。
 失敗を経ての成功。

 どれも返す言葉がないほど説得力がありますし、NHK『プロフェッショナル』などでも、必ずそういう展開で時の人が紹介されています。でも、その度に思います。じゃあ、どん底を味わっていない自分は何なんだ、と。
 
 
 夕張市は10年前に自治体で唯一、財政破綻をきたしました。今も再生途上で、何するにも国の同意が必要です。

「人口減と高齢化が全国よりも早く進んでいる夕張市の再生は簡単ではない。だが、全力で取り組むうちに課題がプラスになる視点が見えてくるはずだ。「夕張は課題先進地。国の問題解決にもつながる」。自ら選んだ難題へ、そう信じて挑む」。

 そう語る鈴木さん。きっと、「やればできる」人ばかりではない現実に、真摯に向き合われていることと思います。





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