2016.07.31
純資産変動計算書の重要性
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
民間企業の会計の大きな目的は、利益を計算し、出資に応じた資源配分を決めること。
一方、地方公共団体の会計(予算含む)の大きな目的は、出資に応じない対価性のない資源配分を決めること。
とある研修講師の準備をしながら、そんなことを考えていました。その違いが、民間企業では損益計算書が作成されるところ、公会計では行政コスト計算書と純資産変動計算書が作成されるという点に表れているのでしょう。
それともう1つ、なぜ地方公共団体の財務書類で純資産変動計算書が重要なのか。私も明快な答えを持っていないのですが、現役世代と将来世代でどう資源配分をするのかを表現できる(可能性がある)のが純資産変動計算書だから、ということではないでしょうか。
重要なことは、その1年でいくら儲けたかではなく、現役世代と将来世代で負担と受益をどう分かち合うか。つまり、時間軸を伸ばして考えなければなりませんので、公会計の財務書類は少し立体的に考えないといけないのかもしれません。
そのあたりを、講師の準備をしながら考えていければと思っています。