2016.07.10

1票を投じる日

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 3年に1度の参議院議員選挙の投票日となりました。

 20歳になって選挙権を得てから、今回の選挙ほど、危機感を持って臨む選挙はないと私は感じています。

 私は憲法の専門家ではありませんので、憲法の精神を語ることなどできません。でも、先週も書いた通り、憲法のことなど意識せずに過ごせてきたン十年が、今、変わろうとしています。

 概念的な話をしているのではありません。改憲か護憲か、というイデオロギーの話でもありません。私たちの目の前には、今、自民党の憲法改正草案という、具体的な構想があるのです。今回の選挙結果によっては、こういう世界になる、という未来像が具体的にあるのです。

 憲法の三大原則は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義だ、と学校で習いました。でも、現在の改正草案では「個人」という表現は排除され、すべて「人」に置き換えられています。基本的人権が多年にわたる人類の努力の成果であり、現在及び将来の国民の永久の権利であることを謳った第97条は削除されます。

 三大原則が過去になる日も近いと、私は危惧しています。

 地方自治も変わります。国と地方自治体は協力しなければならない、地方自治体同士も協力しなければならない、という条文が新設されます。緊急事態が宣言されれば、内閣総理大臣が首長に指示をすることができることとされています。

 東日本大震災を引き合いに、緊急事態条項の必要性を説く人がいまだにいますが、私は忘れません。東日本大震災の被害を受けた自治体の首長のほとんどが、緊急事態条項は必要ないと答えていることを。

 いろんな考え方があることは当然ですし、それが尊重される社会が住みやすい社会だと思います。少なくとも私は、あとから、遠い目をして、あの日が分岐点だった、と振り返りたくはありません。いや、そうなる可能性は高いのですが、諦めというのとは少し違い、責任感というほど高尚なものでもなく、何だろう、漠然とした危機感を素直に受け止め、1票を投じたいと思います。




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