2023.10.15
街を歩く
こんにちは、公(会計)ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
最近、よく散歩をするようになりました。朝のランニング(ほぼジョギング)は可能な限り続けていますが、その後、座りっきりの生活もいかがなものかと。京都に住み、京都で仕事をしていると、少し歩けば重要文化財に触れることも可能。何より、季節の移ろいと人の営みを感じられるのが、散歩の魅力です。
と思っていたら、ギタリストの村治佳織さんが「街歩きの楽しみ」と題する文章を日本経済新聞に寄せていました。「街歩きに開眼したのは高校卒業後、フランス留学したとき。2年弱住んだパリは街並みが美しく、カフェ巡りが楽しい。目的地へ行って戻るだけでなく、気の向くまま歩き、人や物の観察を楽しむ。90年代最後の当時、すでにがっちりしたスーツにスニーカーを合わせる人たちが大勢いた」(15日、日経)。
昨日は、地元宇治の三室戸寺へ。あじさいをはじめ、ツツジやしゃくなげなどの花で人気のあるお寺ですが、この時期、ほとんど花は咲いていません。訪れる人も少なく10人程度。その多くは御朱印を求めての来訪だったようです。それでも、モミジは少しずつ色づき、小さな花も咲いていました。
地元といっても知らないことだらけ。帰りにてくてく歩いていると、厳島神社まで徒歩6分、という看板を発見。なんと、宇治にも「厳島神社」があるのか。そう思って足を伸ばします。ところが6分歩いても見つからない。途中、あと100mという看板も見つけましたが、肝心の神社は見つかりません。明らかに行き過ぎただろうと思い引き返すと、その道中にようやく見つけました。当然、誰もいません。
フランスから帰国した村治さんは、東京で街歩きを実践したそうです。「にぎやかな仲見世通りから何度も初詣に行った浅草寺へ。そこから横道に入って、小さな店や商店街を回る。ひとりで食べるラーメンやエビフライ。ひとり行動のときは、店内の様子や味を深く記憶できる気がする」(同)。
先日、大学時代の恩師の方と話す機会がありました。休日にまずはご夫婦で散歩に行っても、その後、もう一度、今度は一人で散歩に出るのだとか。一人で「沈思黙考」することを大切にされているのです。
確かに、走ったり散歩したりしていると、いろんなことを考えます。1つのことを深く考えるわけではありません。次から次へと、いろんなことが思い浮かぶ。その中に、たまに、なるほどそういうことかもという発見がある。だからこそ、1人で歩く時間も大事なのでしょう。
村治さんは言います。「東京でも季節の変化は味わうことができる。2月は湯島天神の梅、3月は上野公園の桜、4月は根津神社のツツジ、6月は路地のアジサイ、8月は上野の不忍池のハス。仕事のスケジュール管理と同じぐらい大事にしている」(同)。
酷暑も終わり、過ごしやすい季節になりました。名所にいかなくても、秋は足元に溢れています。