2023.08.19

新潟県と福島県

こんにちは、公(会計)ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 新潟県には、かつて仕事で通っていた時期がありました。それこそ、真面目に公会計の仕事をしていた頃の話で、もう20年も前のことです。京都からどういうルートで新潟に向かったのか、今となってはまったく覚えがありません。

 6月3日のブログ「船で島に行く」で佐渡の話題に触れ、最後に「この夏、機会をつくりたいと思います」と書きました。その機会が、来週末、実現します。登山のアプリを提供している会社の佐渡ツアーに参加することになりました。

 佐渡に行きたいという思いが実現した。もちろん、嬉しい。ただ、そもそも新潟への距離感がなさすぎです。新潟を10時前に出るフェリーに乗るのですが、当日の朝出発して十分間に合うと思っていたら、大間違い。京都からだと東京を経由して、東海道新幹線と上越新幹線を使って行くのが最短で、それでも当日では間に合いません。ここまで遠いとは思っていなかったのですが、逆に、元「乗り鉄」の血が少し騒ぎ出しました。せっかく仕事ではなく、特別ツアーで佐渡まで行くのなら、しかもどっちにしても新潟で前泊が必要なら、その行き方も工夫してみようと。

 久しぶりに時刻表を買ってきて、新潟近辺の路線図を見ると、「只見線」という路線が目に留まりました。コロナ禍前だと、確か、外国の方もわざわざ只見線に乗るという話を聞いた覚えがあります。何より、愛読していた紀行作家の宮脇俊三さん(1926-2003)も、何度か著作で書いていたはず。

 ということで、昭和57年刊の『汽車旅12カ月』(新潮文庫)という本を引っ張り出して探してみると、「8月/循環急行と只見線全通の日」という章あり。只見線は新潟県の小出駅から福島県の会津若松駅の135.2kmを走るローカル線です。宮脇さんは只見線が全通するその日、会津若松を5時17分に出る始発電車にのりました。東京から、どのように会津若松の始発に間に合わせたのか。黄ばんだ本のページを繰って、思わず「懐かしい」とつぶやいてしまいました。

「夜行列車は八時か九時ごろに発車する寝台車つきのがよい。会社がひけて、みんなと一杯やり、適当に切り上げて寝台にもぐりこむ。……上野から乗る場合は、19時50分発の「ゆうづる1号」青森行、20時50分発の「十和田3号」青森行、20時53分発の「越前」信越本線経由福井行、21時13分発の「鳥海」羽越本線経由秋田行あたりが適当である」(P.136)。

 なんと贅沢な時代だったのでしょう。新幹線の充実は喜ばしいことですが、その陰で寝台列車は、サンライズ出雲とサンライズ瀬戸を除き、すべてなくなりました。

 もちろん、今回の新潟行きも寝台列車は使えません。京都から東京、東京から高崎は新幹線を活用するとして、その先は、ひたすら鈍行列車(「鈍行」は今でも通じるのでしょうか)で移動しようと考えています。

 新潟県もさることながら、福島県となると、高校生のときに行った修学旅行以来でしょうか。宮脇さんとは逆ルートで、小出を13時12分に出て、会津若松17時24分着(長い!)。その後、喜多方で1時間ほど待ち時間があるので、美味しいラーメンが食べられるといいのですが。いや、でも、その後さらに、新潟まで2時間半の電車に乗ると思うと……。さて、どんな旅になるでしょうか。『汽車旅12カ月』を片手にただ電車に乗る1日と、船で佐渡に渡って過ごすツアーと。今から楽しみで仕方ありません。


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