2023.04.09

ごみの分別

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 燃えないゴミ。燃えるゴミ。缶。プラマーク・瓶・ペットボトル。新聞・雑誌・ダンボール・古布。

 住んでいる自治体でのごみの分別です。我ながら驚くのが、プラマークのごみの量。何か食べてはごみを出し、何か料理してはごみが出る。だったら何も食べないほうがいいのか、とは思いませんが、少なくとも過剰包装の商品を買わないようにしようという意識は働きます。

 ありがたいことは、自治体によるごみ収集が機能していること。ただ、収集という意味でも、処分という意味でも、ごみ処理能力が無限にあるはずはありません。収集体制をどうするかは対処療法。その前のごみをいかに減らすかの予防療法が重要でしょう。

 今日の日本経済新聞に、徳島県上勝町が紹介されていました。「徳島県上勝町に廃材をフル活用した建物がある。まず目に付くのは窓。統一性がなく、パッチワークのように様々な形や素材の窓がはめ込まれている。それもそのはず。近隣住民に要らなくなった建具を提供してほしいと呼びかけて集まった700枚もの窓などをコンピューターでレイアウトして使っているからだ」(9日、日経)。

 この建物が、「ゼロ・ウェイストセンター」。上勝町は日本で初めてごみゼロを宣言した自治体なのだとか。「そもそも同町にはごみ処理場がない。かつて小型焼却炉があったが、ダイオキシン規制で使えなくなった。人口約1500人の小さな自治体には新たな処理施設をつくったり、処理を外部に委託したりするお金もなかった。残されたのはごみを再資源化(リサイクル)する道だった」(同)。

 そうした制約が工夫を生むものでしょう。ごみの分別を徹底し、最終的には45分別。様々な工夫の結果、リサイクル率は、全国平均の4倍という80%になったそうです。この先は生産者の工夫が必要な水準。柑橘類の搾りかすや規格外の芋などを活用したビールをつくっている経営者は語っています。「おいしく飲んでごみを減らす。ごみゼロを目指すには努力だけでなく、そういう楽しさも欠かせない」(同)。

 ごみを減らさなければならないことは、誰しも分かっているはず。でも、意識だけで何とかなるレベルなのかどうか。もちろん、意識は必要です。ただ「ねばならない」の義務感を背負った意識を長続きさせることは難しいでしょう。走らなければならないで始めたランニングが長続きしないのと同じです。ビールを飲んで貢献できるのであれば、これほど嬉しいことはありません。楽しさも欠かせない、というのは、何かを続けるにあたってその通りだと思います。


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