2023.04.02
水族館にて
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
早朝のNHK-BSで、たまに、水族館の映像が放送されています。単に魚が泳いでいるのならまだしも、水族館のメインは「ショー」。イルカ、アシカ、セイウチなど、海の哺乳類が調教を受けてショーに出演している様子を映像はとらえます。
つい、チャンネルを変えてしまう。いや、動物にとってみたら、芸さえすれば餌をもらえるのでいいのかもしれない。それにしても、イルカが不必要に高くジャンプしたり、セイウチが腹筋運動(のような動き)をしたり、ペリカン(?)がコンクリート道路の上を歩いていたり、そんな姿を見ると、いくらなんでもやり過ぎではないかと思ってしまうのです。
小学校の修学旅行は伊勢志摩でした。関西では一般的な行き先ですが、伊勢志摩と言いながらその間にある鳥羽にも寄ります。もちろん、パルケエスパーニャなどない時代、鳥羽水族館がメインでしょう。そのとき、何かのショーも見たはずですが、どう感じたのか記憶にありません。何の疑問も持たずに、拍手をしていたのだと思います。
その後も子どもたちが小さい頃、水族館には何度か行きました。鳥羽、海遊館、美ら海水族館、などなど。その場、その場では楽しんでいるのですが、どこか無邪気でいられなくなってきている気もします。
「昨年11月、フランス議会で野生どうぶつの利用を禁止する法案が可決したことがニュースになりました。仏大統領の署名を経て新法として成立すれば、2026年からイルカショーが禁止されることになります」(2022年1月28日、東洋経済オンライン)。
それだけではなく、24年からはペットショップで犬猫の販売が禁止されるなど、動物愛護に焦点を置いた法律が施行されるのだとか。「狩猟や闘牛、そして非常に残酷なフォアグラが対象になっていないなどまだ多くの議論がありますが、どうぶつの尊厳を見直す大きな一歩になることには変わりありません」(同)。
この記事の筆者は、イルカ猟(哺乳類なので著者は「猟」と記述)で知られる和歌山県太地町に通いつめて、毎日記録を取り続けました。その様子から、フランスのように動物愛護が進む状況を「至極真っ当なこと」と評価しています。
少なくとも、ショーが行き過ぎていることは間違いないでしょう。でも、だとすると、水族館の水槽に閉じ込められている魚たちはどうなのか。実は今日も鳥羽水族館に行ってきたのですが、春休みの週末、かなりの人で賑わっていました。そんな世界の議論は頭の片隅に置きつつ、それでも、「なんだこの魚は?」という発見が多いことも事実です。
人間が想像もできないような知らない世界に触れる機会であると同時に、観光資源として人間の経済循環に巻き込まれている動物たちがいる。その間でどう考えていけばいいのか。まず、手元にある未読の『勇魚』(C.W.ニコルさん)を読んでみようと思います。