2023.01.08

成人の日という通過儀礼

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 昨年4月1日から、成人年齢が18歳に引き下げられました。その関係で、税法でもいくつか年齢の見直しがされています。相続税の未成年者控除であったり、所得税のNISA対象年齢であったり。

 18歳で成人になるとはいえ、お酒やタバコは20歳から。成人式も20歳に合わせてという自治体が多いのでしょうか。昨日、ラジオを聞いていたら、成人式にちなんだ読者の声が紹介されていました。「我が家には20歳の長男と18歳の長女がいて同時に成人式を迎えます」と。ということは、18歳で成人式を挙行する自治体もあるということでしょう。

 私が住む宇治市では次の通り。「成年年齢引き下げ後もこれまで通り20歳を対象とした式典「宇治市二十歳のつどい」を成人の日に開催します」(宇治市ホームページより)。確かに、18歳は高校生で、大学受験真っ最中の人も多いのだと思います。

 我が家の長男は成人式(二十歳のつどい)に行くのかどうか。そんなそぶりはないのですが、少なくとも、私自身は成人式に行きませんでした。特に反骨心があったわけではありません。式典が楽しい時間だとは思えない。校長のつまらない話を聞かされ続けてきたからか、市長がためになる話をするとも思えない。いや、そんな思いすら後づけで、単に面倒だったのだと思います。まだスーツも持っていなかったはず。もちろん、ネクタイも。さすがに、ジャンパーにジーンズで参加する気持ちもありませんでした。

 18歳になったら家を出る。子どもたちにはそう言い続けて、長男はきとんと実行してくれました。それを見ている次男も3年後、実行してくれることでしょう。家を出た=自立した、と単純ではないと思いますが、自立の第1歩であることに違いはありません。もちろん、家を出た以上、二度と帰ってくるななどということではなく、何かあったらいつでも帰ってきたらいいということ。その姿勢を示せば、帰ってこなければならないような事態は生じないものです。

 鴻上尚史さんは、成人の日に当たってツイッターに「成人、おめでとう」から始まる文章を掲げました。大人になるとはどういうことか。「僕は、親や先生や先輩や友達の意見にただ従うのではなく、「あなた自身の頭で考えること」だと思っています。自分の人生を自分で決めるということですね。」(ツイッターより)

 でも、中学生、高校生と過ごす間、「自分の頭で考えるな」という訓練を受けてきた。いきなり自分の頭で考えろと言われても難しいだろう、とも書いています。出る杭は打たれる社会の中で、出る杭になれと言われてもできないのと同じことでしょう。自分の頭で考えるために鴻上さんが提案した方法が本を読むこと。私の場合の方法論が家を出ることでした。

 家を出ろと言い続けたこと。自ら本を読み続けて本を読む姿勢を子どもたちに見せ続けたこと。成人の日は、子が親離れするだけでなく、親が子離れするための通過儀礼でもあるのです。


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