2022.07.16

山に登る

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 今、少し早い夏休みで、母方の田舎である長野県駒ケ根市に来ています。といっても、昨晩やってきて、今日の夕方には、諏訪の友人宅に向かうのですが。今回は、日曜日に八ヶ岳連峰にある北横岳に登ります。

 京都を出て、米原を超え、一宮から中央道に入る。しばらく走ると山に囲まれた景色が現れ、毎回、ホッとする瞬間です。ただ、今回は、パソコンに保存してあるコラムニスト、小田嶋隆さんの文章教室音源を聞きながらの運転でした。8年前に受講したのですが、その内容を思い出したり、発見したり。山の景色を眺める暇もないくらい、ひと言も聞き漏らすまいと、耳に神経を集中させていました。

 小田嶋さんは、他の方との対談番組でも、ツイッターでも、他人の言動に対して「バカですよね」「ろくなもんじゃないですよ」といった発言もしばしば。ツイッターでは時に炎上していました。

 ただ小田嶋さんの発言を不愉快に感じないのは、特に対談の場合、バカと言いっ放しではなく、なぜバカな言動なのかを、冷静にきちんと言語で説明されるから。感情的に反発した発言ではなく、バカとしか表現できないので、そう言うしかない。その分析や視点に、なるほど、そう考えるのか、と気づかされることが何度あったことでしょう。

 あと、文章教室にゲストが登場するのですが、話が難しくなりすぎると軌道修正するのも小田嶋さんの律義さです。文章教室ですから、30人くらいの受講生がいる。その際のテーマもある。受講生がついてこれなかったり、テーマから外れすぎたりすると、文章教室が成り立たなくなってしまう。そんな直感があったのだと思います。

 文章教室が100分。聞き終えた後、今度は小田嶋さんを偲んで親交のあった2人の対談番組を聞きました。話題に出たのが、登山です。あるとき、山に登って、小田嶋さんの体調が悪くなった。肩に担がれるようにして下山し、でも、文句は言わない。ただ、回復した後は、2度と山には登らないと言いながら、次の登山に向けて駅では階段を上り下りするようになった。そんな「ハードボイルド」ぶりが、懐かしく語られていました。

 山に登る。楽しみですが、単純に楽しみと感じているわけではありません。登山と孤独は相性がいい。いや、経験しているわけではなく、見聞きしている範囲で、そう感じているからこそ、登山の危うさを恐れています。物理的な危険さはもちろん、精神的な気の持ちようも。

 山に囲まれた駒ケ根は、天気が荒れることが少なく、今日も予報とは打って変わって穏やかな気候です。もちろん、今のところ、という留保がつくのでしょう。山の天気は変わりやすい。明日の穏やかさを祈ります。


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