2022.04.24

30年後の路線図

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 JR北海道の路線図を見ています。あれだけの広い土地でありながら、敷かれている鉄道路線はかなり減少。函館本線、根室本線、室蘭本線など、もはや「本線」と呼ばれる路線以外は、あまり残っていません。

 手元に、昭和59(1984)年1月に発行された時刻表の復刻版があります。現在の路線図と見比べると明らかですが、道東、道北の路線は軒並みなくなりました。赤字、非効率、人口減少。民営化したこともあり、ただ維持することを目的にした運営が許されなくなってしまったのでしょう。

 何も、北海道だけの話ではありません。JR西日本は、11日、収支状況の悪い17路線30線区のデータを公表しました。「輸送密度(平均通過人員)2,000人/日未満の線区について、一定の前提をおいた算出のもと線区別の収支率などを開示いたします。……地域の皆様と課題を共有させていただき、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画し、地域のまちづくりや線区の特性・移動ニーズをふまえて、鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたいと考えています」(JR西日本プレスリリースより)。

 対象路線は中国地方、山陰地方、兵庫北部、京都北部などが多い模様。ただ、後半の記述にもあるように、赤字だから廃止という直結の話なのではなく、どのような形が望ましいのか、議論を深めていくための題材と考えたほうがいいのでしょう。

「今回の発表で論点は収支と赤字、つまりJR西日本が「不採算路線」から「撤退」するか否かに絞り込まれてしまった。もちろん路線別の収支を伏せたまま自治体と議論はできず、公表しないという選択はあり得なかったが、問題は赤字額ではなく地域交通を利用しやすい形に再生することが第一義だと訴える方が分かりやすかったように思える」(18日、ダイヤモンドオンライン)。

 30年後、西日本のJR路線図はどうなっているでしょうか。鉄道の廃線跡をたどるのも人気があるようですが、できることなら廃線前にその景色と風情を味わいたいところです。

 先の復刻版時刻表は、かつて国鉄駅に配置されていたスタンプの一覧を紹介する『なつかしの国鉄 駅スタンプコレクション』(交通新聞社)という本に添付されたもの。最近、寝る前に任意のページを開いて、見開き5~8駅のスタンプを眺めています。スタンプはもうないでしょうし、そもそもなくなっている駅も多いはず。

 そういえば、来週、久しぶりに金沢を訪ねます。いつ以来なのか、まるで思い出せません。予習がてら、北陸本線のスタンプを眺めて旅情を高めておきたいと思います。


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