2022.04.03
18歳で成人
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
年度始めの4月1日。会社では入社式が行なわれ、今年は対面での開催も増えたようです。
昨日、近所のスーパーに行くと、スーツ姿の若い男女に、調理場担当と思しき人が何やら説明をしていました。「新入社員だね」と家族に言われてハッとしたのは、それに気づかないくらい、自分自身が休日モードに入っていたから。個人の所得税申告が終わり、年度末までの準備も終わり、3月決算法人の申告に向かうエアースポットのような時期なのです。
入社式は例年の行事ですが、今年はもう1つ大きく取り上げられた話題がありました。4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられたのです。未成年ではなくなるので単独で契約行為ができるようになる一方、酒・タバコ・競馬等は20歳のまま。「健康被害への懸念や、ギャンブル依存症対策などの観点から、従来の年齢を維持することとされています」(法務省Q&Aより)。
日本財団が今年1月から2月にかけて若者の意識調査を行ないました。日米英中韓印の6か国で、17-19歳1,000人を対象にしたインターネット調査です。「その結果、「自分は大人だと思う」と答えた若者の割合は、イギリスとアメリカは86%、インドが84%、中国が71%と4か国では7割から8割を占め、韓国は47%、日本は27%と最も低くなりました」(2日、NHK)。
大人だと思っていないのか、大人だと思いたくないのか。意識そのものよりも、意識調査への答え方が問われているような気がしますが、それはさておき、もう1つ気になった質問がありました。「「自分の行動で国や社会を変えられると思う」という回答は27%で、ほかの国が半数を超える中、最も低くなりました」(同)。
閣僚でも会社の上司でも様々な組織でも、なぜ日本では年長者がリーダーの職を占めるのか。『タテ社会の人間関係』にヒントがありました。「天才的な能力よりも、人間に対する理解力・包容力をもつということが、何よりも日本社会におけるリーダーの資格である。どんなに権力・能力・経済力をもった者でも、子分を情的に把握し、それによって彼らと密着し、「タテ」の関係につながらない限り、よきリーダーにはなれないのである」(同書、講談社現代新書、P.148、中根千枝さん)。
リーダーになる道が、果てしなく遠い。次代を担う若者が責任を担う世界に変えていくという気概が、各所から見受けられない。最近の若者は、なんていうオジサンが、未だにたくさんいる。
いや、でも、報道を見ていても、経営者の方と話をしていても、少しずつかもしれませんが、違う芽は確実に出てきていると感じます。仮に若者の意識が低いとすれば、若者自身の問題と社会構造の問題が入り混じっているはず。大人が道を譲り、過剰に口をはさまず、若者の力を信じて託す。まずは身近なところから、そのような意識を行動に移したいと思います。