2022.03.13

高校生が動く

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 休日、10km走る際に、平坦コースと坂道コースがあります。その坂道コースの途中にあるのが立命館宇治高校。立派な門、広い構内道路、お城のような校舎……陸上の女子駅伝も強豪ですが、構内で練習しているのでしょうか。

 話題は陸上だけではありません。「結婚する際、夫婦が同じ姓にするか別の姓にするかを選ぶ「選択的夫婦別姓制度」の導入を国に求めてほしいと、立命館宇治高校の2年生4人が宇治市議会に請願した。市民環境委員会(7人)が4日に審査し、生徒が参考人として説明した」(5日、朝日新聞デジタル)。

 きっかけは、高校での授業で制度の存在を知ったこと。「請願提出に至った思いについて向川さんは、同制度を学校の授業で知り、同姓強制を不便に感じている人の声を実際に聞いてきた経過にふれ、「アイデアを出すだけではなく、自分たちが動くべき」と考えたことを紹介。「困っている人たちを助けたい」との思いが原動力であり目標だと話し、「制度の導入で、幸せな人が増えるよう議員さんたちの総意として(国に)意見書を提出してほしい」と述べました」(11日、京都民報)。

 委員会では4対2で請願を採択。25日の市議会本会議で採択されれば、意見書提出が実現することになるのでしょう。「採決の後、4人は「授業で学ぶだけでなく、自分たちが活動し意見を言うことで、これから何十年も生きていく社会を住みやすい場所にしたい」と話した」(5日、朝日新聞デジタル)。

 大人がもたもたしたり、暴走したりしている間に、次の世代に引き継ぐ財産や生活基盤や社会制度が壊れたり、社会が息苦しくなったりしている。そんな症状があちこちに出てきているのだと思います。

 何度も繰り返されるように、「選択的」夫婦別姓ですから、そうしたい人に選択肢を増やすということ。ところが、反対する人の意見は、常にあさっての方向から飛んできます。「家族のきずな、一体感の希薄化につながる」「議会の意思を決めるのは時期尚早。国の議論を見守るべき」(いずれも、11日、京都民報)。

 姓などなかった時代の小説を1篇でも読めばいいと思います。いかに家族が互いを思いやっているか。きずなという言葉は使いたくありませんが、あえて使うとすれば、同姓の強制で困っている人たちの選択肢が増えれば、間違いなくきずなは深まるでしょう。同姓の人は引き続き同姓ですから、今きずながあるのなら(←同姓だからとは思いませんが)、それが弱まることはないはずです。

 国が動かないから、地方から声を上げてほしい。それが高校生の訴えだと思いますが、それに「国の議論を見守るべき」と答えてしまう。あなたたちの訴えを聞くつもりはありません、というゼロ回答ですが、そういう大人がいるから、高校生が動かざるを得ないのでしょう。構図は同じです。

 まずは身近なところで、子どもたちにしっかり背中を見せること。他人事ではない関心を持ち続けること。そういった意識を忘れないようにしたいものです。


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