2022.02.27
振り回されるのは
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
ロシアがウクライナに侵攻しました。武力による侵攻は論外で、「この戦争を止める」というネットの呼びかけにも署名しました。
いかに何も知らなかったか。今さらながら自分の無知に失望しました。無関心の積み重ねは、大人としての責任放棄です。「ロシアとウクライナ、ベラルーシは同じ東スラブ民族に属し、統一国家の始まりは9~12世紀ごろに栄えたキエフ・ルーシにある。中心地は現在のキエフだった。その後、現ウクライナ領には独自の国が長く形成されず、ロシア帝国やポーランド、リトアニアなどの支配下に置かれた」(2月16日、日経)。
日経のコラムで、ロシアの国旗は、赤がロシア、青がウクライナ、白がベラルーシを表している、とも紹介されていました。
その後、ロシアとポーランドがウクライナを巡って争った時期を経て。「ウクライナは1917年のロシア革命で一時的に独立を宣言したが、ほぼ20世紀を通し旧ソ連の一部。国家としての歩みは91年のソ連崩壊で本格化した。米欧とロシアのつばぜり合いの舞台になり、住民も親欧米の西部と親ロシアの東部に分かれる傾向があった」(同)。
ソ連崩壊後、東欧のNATO加盟が進み、地図をロシア側から見ると確かに脅威なのだと思います。もちろん、だからといって武力行使が許されるはずがありません。権力者が何を思おうが、振り回されるのは常に庶民。普通の人たちです。
無能なリーダー、無謀なリーダーは、数知れず。戦争こそないものの、日本だってこの10年、無能なリーダーが相次いで登場しました。でも、いつも振り回されるのは、世界の片隅の普通の生活で、時に命を落とすのも、世界の片隅の普通の人たち。そのことが、無性に腹立たしい。リーダーだって、たかだか1人の人間です。何の権限があって、庶民の生活や命を壊すのかと。
先日、知人との読書会で紹介した本が『戦争とバスタオル』(亜紀書房、文:安田浩一、文・絵:金井真紀)。基本的には各地の風呂を訪ねるのですが、そこに至る道中や風呂の中でも、戦争の話題になっていく。重い話題と、安田さんのジャーナリストとしての熱さと、金井さんのほのぼのとした絵が絶妙のバランスで成立している1冊です。
ある方から「なぜ戦争の本を読むのですか」と聞かれて、はて、どうしてだろう、と立ち止まりました。理由を考えたことはないのですが、とっさに答えたのが、他人事ではないということ。それと、米国は別として、世界から戦争を直接体験した世代がいなくなりつつあること。1人で何かができるわけではないのですが、せめて関心を持ち、知ろうとして、周りの人と語り合うくらいのことは、してもいいのではないかと思っています。