2021.08.08
今の世代と将来世代
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
6日の日本経済新聞に、
「高校の教室にエアコン整備を」という寄稿が掲載されていました。
寄稿文を書いたのは、
埼玉県立浦和高同窓会長で、弁護士の野辺博さんです。
「文部科学省の調査によると、2020年9月時点で高校の普通教室の空調設置率は87%、特別教室などでの設置率は46.8%にとどまる」(6日、日経)。
高校は、教科によって先生も授業を受ける場所も違います。
特別教室は、実験を行なう理科教室や美術・音楽などの芸術教室、家庭科教室など。
その設置率には驚きませんでしたが、
次の記述には驚きました。
「私の母校である埼玉県立浦和高校は17年にようやく普通教室(30室)にエアコンが入った。ただ、この設置・維持管理費用はすべてPTAが負担している。調べてみると、多くの県立高校ではエアコン設置の費用は県費ではなく、保護者・PTAの資金拠出により賄われているのが実情であった」(同)。
特別教室だって、利用頻度は低くない。
夏の暑さは厳しく、猛暑日も珍しくない。
特別教室へのエアコン設置も必要だが、
それも保護者・PTA負担では過度な負担だろう。
野辺さんはそう語っていますが、まったくその通りでしょう。
設置費用は、今のコスト。
維持費用は、今及び将来のコスト。
一方で、エアコンを使うのは今の世代と将来世代。
その設置・維持費用を、
今の保護者・PTAのみが負担するのでは、筋が通りません。
かつ、高校の存在が地域に貢献している面もあるでしょう。
地域との交流。
教育の場の提供。
緊急時の避難場所。
……
文部科学省の資料では、
市町村別・学校種別にエアコン設置割合が公表されています。
ただ、その数字だけからは読み取れないのが、コストの負担状況でしょう。
日本は、いろんな面で、「貧すれば鈍する」の道をまっしぐら。
新型コロナウイルスについても、
原則入院から、原則自宅療養(という名の医療放棄)を選択してしまった。
中等症で症状が厳しい人には入院できる状況を整える、という建前ですが、
首都圏の医師によれば、既に病院は満床で、
仮に家族が感染しても入院させることができない状況にあるようです。
今の患者を出して、症状が厳しい患者を入れるということはできない。
できるのは、目の前の患者を助けることだけで、もはや戦時の状況だと。
症状がどうという状況ではない。
デルタ株の感染力はこれまでの比ではない。
かつ、今さら政治に何かを期待できる状況でもない。
とにかく感染しないよう今しばらく自粛をしてほしい、と強く訴えています。
(気になる方は、こちらのアーカイブ(1時間強)をご覧ください。)
https://www.youtube.com/watch?v=LLPi-jKWXqU
かけるべきお金を、かけるべきところにかける。
いや、お金以前に、国民や市民の生活を守ること。
自助は当然ですが、自助を真っ先に求める政治は変。
そんな当たり前のことは当たり前に実践してもらうよう、
声を上げ続ける必要があるのだと思います。