2021.06.13
人間だけのものではなく
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
朝、BGM代わりにつけるテレビ。
よく流れてくる映像が、
日本の名山、ヨーロッパのトラム、北海道や沖縄の生き物たち、です。
今朝は、アフリカの大草原を移動する草食動物たち。
ゾウ、ヌー、シマウマ、キリン、カバ・・・
早朝ですので、
何度も繰り返し放送されている映像ですが、
何度も繰り返し見つめてしまう。
その度に、思います。
地球は、人間だけのものではないと。
もっとも、
アフリカの映像に限らず、
朝、走っていても同じこと。
雨上がりに見られるカタツムリ。
地面を這っているダンゴムシ。
この時期、飛ぶようになる蝶。
散歩しているいろんな犬たち。
スズメ、ツバメ、カラス、ハト、サギ、カモ、ムクドリ・・・
と書きながら、
小説家、吉村萬壱さんの言葉を思い出しました。
ほんと、その通りだと思います。
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あらゆる生命体が、この世界をそれぞれの仕方で把握している。植物にとっての世界があり、蟻にとっての世界があり、新型コロナウイルスにとっての世界がある。何と豊かなことだろう。私は、初めて実体顕微鏡を買ってゴキブリを観察した時、その毛むくじゃらの脚に沢山の小さな虫がくっ付いていたのを見て、これが君たちの世界なのかと大いに感心した覚えがある。そして、そこには彼ら独自の世界があるのだから、下手に手を出さずそっとしておこうという謙虚な気持ちが湧いた。種を超えた視点で世界を捉えると、全てを人間の責任においてコントロールする必要がなくなり、とても気が楽で、そんな世界の方が人間にとってもずっと住み易い気がする。人類は勝手に背負った重い責任を放棄して、いっそのこと滅亡してしまう自由さえ保持しつつ、もっと肩の力を抜いてもよいのではなかろうか。たとえ我々が滅亡しても、きっと後のことは他の種が上手くやってくれるに違いないのだ。
(『ひび割れた日常』、亜紀書房、P43-44)
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