2021.02.14
10年と思っていたら
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
2011年3月11日。
東日本大震災と原発事故から、もうすぐ10年。
新聞を読んでいても、いろんな特集記事を目にします。
読みながら、漠然と考える日が続いていましたが、
今朝起きてニュースを見ると、福島県、宮城県で震度6強の地震。
大丈夫だろうか。
津波は来ないのか。
コロナ禍での避難生活はどうなるのか。
とにかく、大事に至っていないことを祈るばかりです。
『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』
(矢部宏治さん、ちくま文庫)を読みました。
沖縄・超初心者を自認する矢部さんが、
写真家の須田慎太郎さんと沖縄にある米軍基地すべてを撮影し、
まとめたのがこの本です。
沖縄には何度行ったでしょう。
仕事で数回、旅行で数回。
もちろん、米軍基地があることは知っていて、
ただ、沖縄に行って帰るだけでいいのかという引っかかりは持ちつつ、
毎回、行って、楽しんで、帰ってきていた。。。
文庫本の解説は白井聡さん。
「現に、年間500万人を優に超える人間が本土から沖縄を訪れ、「癒しの島」を楽しんでいる。沖縄の島中に貼りついている米軍基地が彼らの目に入らなかったはずがない。にもかかわらず、本土の日本人は「沖縄が好き」と口にしながら、同時に名護市辺野古沖での基地建設を強行する政権を選び続けている。知念ウシ氏いわく、「沖縄が好きなら基地を一つずつ、持って帰ってもらえませんか」と言うと、本土の日本人は絶句するという。見えているはずなのに見えていない、見ようとしない。見ようとしないから見えないのだ」(P.267)。
原発も同じでしょう。
いや、10年前までは見えていなかったかもしれない。
図らずも見えるようになったはずが、
今度は見ようとしていないのではないか。
矢部さんは、本書の冒頭(文庫版はじめに)で書きました。
「もし、あなたが今度沖縄本島を旅することがあったら、ぜひこの本をポケットにいれて、表通りから怖がらず角を曲がって脇道に入ってみてほしい。そしてフェンスの前に立ち、中をじっと眺めてみてほしい。そこに広がるのは「沖縄の米軍基地」という巨大な異世界だ」(P.8)。
はい、必ず、そうします。
見ようとしないこと。
知ろうとしないこと。
その無関心や他人事ぶりが、
最後は、きっと、こんな事態を招くのですから。
(ドイツの神学者、マルティン・ニーメラーの詩より)
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ナチスが共産主義者を攻撃し始めたとき、私は声をあげなかった。なぜなら私は共産主義者ではなかったから。次に社会民主主義者が投獄されたとき、私はやはり抗議しなかった。なぜなら私は社会民主主義者ではなかったから。労働組合員たちが攻撃されたときも、私は沈黙していた。だって労働組合員ではなかったから。そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる人は一人もいなかった。
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