2021.01.10

何もないことの価値

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 車で15分。
 たまに行く大きな公園があります。

 子どもが小さい頃など、
 行く場所がないとか、
 考えるのが面倒とか、
 そういうときの最後の切り札でした。

 もちろん、
 この公園とて、山を切り開いてできたのかもしれません。
 それでも、
 何と言っても心地よいのは、ただ広いだけで何もないこと。

 遊具は2つだけ。
 休憩所はありますが、
 あとはだだっ広い空間と池と遊歩道と。

 100mを超える長さ(高さではない!)の凧揚げをするおじさんがいて、
 そのおじさんの周りに人が集まる光景を何度か目にしました。

 そんな公園の周辺も、
 近くの山がさらに切り開かれて高速道路を建設中。
 それに伴い、スマートインターチェンジができ、
 アウトレットモールも開業するのだとか。

 さらに先日の小さな新聞記事によれば、
 公園北側にもさらなる事業計画が進んでいるそうです。

 思い出したのは、
 かつて住んでいた高槻市のマンション。

 玄関側、ベランダ側、いずれも田んぼが広がり、
 カエルの鳴き声を満喫したこと、茨木や枚方の花火が楽しめたことは、
 かけがえのない時間でした。

 今では、
 少なくとも片側には別のマンションが建っています。
 これすら5年前の状況で、今では、どうなっていることやら。


 何かを作る。
 そこから新しい動きが始まる。

 それもいいですが、
 何もないことの豊かさを置き忘れてはいないでしょうか。

 富と価値は違う。
 150年以上前にカール・マルクスが『資本論』で鳴らした警鐘に、
 今こそ耳を傾けなければならない。

 NHK『100分de名著』を見ながら、そんなことを考えています。


CONTACTお問い合わせ

PAGE TOP