2020.03.08
銀行の姿勢の変化
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
銀行は、無料を有料に。
証券は、有料を無料に。
最近の報道を見ていて、
手数料についての姿勢が鮮明に分かれてきたと感じます。
マイナス金利時代。
銀行は手元に現金を持つと、金利(手数料)がかかってしまう。
かといって、もちろん、貸出先が急に増えるわけでもなく、
そもそも貸しても、利ザヤが小さいので儲かるわけでもない。
貸せないのに、低金利&金融緩和。
そこで、様々なサービスを有料化している現状があるのだと思います。
銀行を取り巻く環境の変化は、
じわじわと自治体にも及んできました。
先日、話を聞いたある銀行の方。
その話の中でも紹介されたのが、
銀行が自治体の指定金融機関になることを辞退するケースです。
時には入札に参加せず。
時には現行の手数料の大幅値上げ要求。
自治体の指定金融機関となるメリットは、
大きな資金を集められることと、社会的な信用を得られることでしょう。
ところが、
前者については、今や、現金はいらないという時代です。
後者については、特にメガにとって、今さら信用も何もないでしょう。
指定金融機関とは違いますが、
「銀行「預金いらない」 自治体の預入先入札、辞退次々」
という記事が、2日の東京新聞に掲載されました。
「地方自治体が保有するお金(公金)の預入先を選ぶ手続きに対して、銀行など金融機関の参加辞退が相次いでいることが分かった。こうした事例は東京都や埼玉県でみられ、神奈川県では本年度、参加ゼロがすでに八回あった。日銀のマイナス金利などで「預金を預かっても借り手はおらず、管理コストが膨らんでいる」(大手銀幹部)ことが要因。これまで銀行経営を支えてきた預金を敬遠する姿勢が鮮明になった」(2日、東京新聞)。
もはや、銀行は脱金融を目指し、
メガには理系のトップも誕生する時代です。
「マイナス金利は、銀行などが日銀に預ける「当座預金」の一部に、利子ではなく0.1%の手数料を課す政策だ。銀行は当座預金に資金を眠らせたままだと損をするので、貸し出しを増やせると日銀はもくろんだ。全体的な金利水準の低下は確かに進んだが、企業への貸し出しは想定通りに増えていない。貸出収益が改善しない中で、管理費用が増す預金の存在は金融機関の重荷となった」(同)。
お金とは、負債である。
誰かが銀行から借りて、
通帳に1億円と記帳された瞬間、
1億円というお金がつくられる。
最近、ある経済学者の話を聞いて、なるほどと思いました。
借りてくれる人がいないと、お金は増やせない。
金利を下げるとか、ヘリコプターからばらまくとか、
そんなことでお金が増えるのではないのだと。
誤りを認めない。
途中で立ち止まれない。
過去にあれだけ大きな失敗をしても学ばない。
日本の悪しき伝統は、時代を超えても、なかなか改められないようです。