2020.02.16

京都という町

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 今月、
 日本経済新聞「私の履歴書」に連載されているのが、
 陶芸家の樂直入(らく・じきにゅう)さん。

 まったく毛色の違う文章を、
 毎日、楽しく拝読しています。

 十五代樂吉左衛門、ともある通り、
 代々、続いてきた陶芸家の家。

 特に、お父様との関係が、
 強く、印象に残っています。

「父は家を継ぐことに一切、何も言わなかった。だが一度だけ、高校生だった私に「そんなに線が細いことでは、この家は継げん」と吐き捨てるように言った。その言葉は私の胸に刺さった。父のように強くなくても、震えるように繊細に生きてやる。最初の反抗心が私に芽生えた」。

「父は私の仕事に何一つ口を出さなかった。指導も、アドバイスもしない。私も父には教えを請わなかった。口さえもきかない。最も嫌なこと、それは父に似た、同じような茶碗を作ることだった」。


 昨日は、代々の相続の難しさ。

「現法による相続税の結果は京都の街を見れば一目瞭然。昔ながらの家族はほぼ壊滅状態だ。代わりに増殖するのは派手な巨大店舗やコインパーキング、コンビニなど。そこには便利さと人の細やかな幸せがあるが、それでも京都と思えない景観に変わってしまったことに怒りさえ覚える。今の税制が続く限り、昔ながらの家は確実に姿を消していく。いや、もう手遅れ、京都らしさを復興することはできない。そこに京都の誇りは、自尊心はあるのだろうか」。

 なるほど。

 しかし、この文章、
 京都以外の人は、どう読むのでしょうか。

 私は京都(といっても宇治)に住んでいますので、
 縁がないわけではありません。

 しかし、京都に縁がない人にとって、
「京都は大変ね」と読んでもらえるのか、
「ふん、何だよ」と反発を招くものなのか。

 個人の家の相続税逃れ、
 という陰口をよそに、
 芸術を代々伝えていくのは大変なことのようです。


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