2019.10.27
同じインフラでも
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
先日、あるところで、
水道施設を見学する機会がありました。
生活排水を処理して、
川に放流する下水処理センター。
井戸水を汲み上げて浄化し、
各戸へ供給する浄水場と配水池。
地下に。
山の上に。
自然の地形に従いながら、
様々な設備が配置されていて、
自分たちの生活を支えてくれているのだ。
そんなことを実感できる貴重な機会でした。
21日の日本経済新聞に掲載された
「寿命迫る水道インフラ カギ握る民のAI技術」という記事。
その中に、こんな記述があります。
「他のインフラと水道の大きな違いは、運営する事業主体の零細さだ。巨額の先行投資を要するインフラ事業は少数の巨大企業が牛耳るのが通例で、通信ならNTTなど大手3社、電力なら東京電力はじめ地域ドミナントの大手10社が存在する。
対して市町村が基本単位の水道は全国に約1300もの公営事業体が存在する。中には東京都水道局のように給水収益(水の売上高)が3千億円強という組織もあるが、全体の7割は給水人口が5万人未満。年間の給水収益が10億円に届かないところも多く、基礎体力は総じて脆弱だ。」(21日、日経)
確かに、今回見学したような施設を、
一部、複数自治体で共同運営のところもありながら、
各自治体が準備するのですから、その数は膨大なもの。
水道管だって、
隣接する自治体で非効率になっている場所もあるでしょう。
「曲がり角を迎えた日本の水道の突破口の一つは、「民」の知恵やノウハウ、人材の力を借りる官民連携の強化である。」(同)
記事はそう続きます。
あとは、その官民連携の成功例が紹介される、
ある種、いつものパターンという展開。
今回、見学に同行してくださった方は、
ポツリとこう言いました。
先の記事が(意図的に)見落としている点を、
見事に言い当てているのではないでしょうか。
「他のインフラとの違いは、水が住民の口に入ること」
そのひと言を頭に刻んでおきたいと、私は思っています。