2019.09.13
住民利益に資すること
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
国の役割は、
その国の国益に資すること。
自治体の役割は、
その自治体に住む住民の利益に資すること。
そう考えると、
理念やイデオロギーにこだわることの無益を感じます。
かつて、思想家で武道家の内田樹先生は、
靖国参拝問題(たぶん小泉さんのこと)についてこう語りました。
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『靖国に参拝することによって得られる国益』が『それによって損なわれる国益』よりも大であることについての首相の説明に得心がいけば私は靖国参拝を支持する。
私が首相の靖国参拝を支持しないのは、彼が自らの政策判断の適切性について説得する努力を惜しんでいるからである。
自らの重要な政治的判断の適切性について有権者に論理的な説明をする意欲がない(あるいは能力がない)政治家を支持する習慣を私は持たない。
(『知に働けば蔵が建つ』文春文庫、P.184)
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最近の、ほとほとうんざりするような嫌韓報道。
テレビを見ない私ですら、
ツイッターなどを介して、いかにひどいかを日々、見せつけられています。
さらにうんざりするのは、
ここぞとばかりに韓国について発言する人が増えること。
私はそうは思いませんけれど、
とやんわり否定するのにも疲れてきました。
上の言葉を借りれば、
嫌韓言動によって得られる国益は、
それによって損なわれる国益を上回っているでしょうか。
そんなことはあり得ず、
国際的に見ても日本の信頼を大きく損なっているとしか思えません。
根本的に加害者であったことを忘れてしまったのでしょうか。
国益などと大きなことを言わなくても、
身近な生活ですら、脅かされています。
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日韓関係が悪化し対馬市を訪れる韓国人観光客が激減していることについて、長崎県は5日、「災害に準じる」として資金繰りに苦しむ中小企業の相談窓口を近く設置する考えを示した。…(略)…
県などによると、日本による対韓輸出規制強化以降、団体を中心に韓国人観光客が減少。対馬市内の宿泊、観光体験、飲食、交通業者などが直接的な打撃を受け、7月で約3億円、8月は約7億円の消費低下が起きていると推計している。
坂本委員は「対馬に特化した補正予算を考えられないか」と質問。前川政策監は「(韓国人観光客の減少は)災害に準じるような状況。既定の予算の範囲内といった予断を持たず、必要な予算、財源確保を検討する」と述べた。
(6日、長崎新聞)
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こんな人災を巻き起こしていることに、
嫌韓言動をする人たちの想像力は及ばないのでしょう。
はあ、とため息をつきつつ、
子どもたちの未来を考える日々です。