2019.06.16

先進国への違和感

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 先進国、という言い方があります。

 あれにいつも違和感があるのですが、
 要するに、欧米諸国が先進だ、ということですね。
 さらに、日本は、主観的には先進国のつもりでいる。

 果たして、本当でしょうか。

 たとえば、フランス。
 自由の国、人権の国と言われますが、
 でも、たとえば、こんな実態もあるのです。

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「支配者にとっては、スカーフが問題なんじゃない。フランスに同化できない人の存在が問題なんです。かつて、アルジェリアでは、駐留するフランス軍人を中心に、イスラム女性のスカーフを剥ぎ取る運動を起こしたことがあります。スカーフが“反仏”の象徴に見えたからでしょう。その記憶が、いまでも国内のムスリムには残っています。しかしフランスは、何事においても同化を重視し、異なった文化を認めない。自由と平等は同化の上で成り立っているのです」

(安田浩一『団地と移民』角川書店、P.133、「移民と郊外の運動(MIB)」メンバーのズィーナ・メドルさん)
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 あるいは、今回イランを訪問した首相について。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは辛辣な見出しで報じました。

“A Novice Player Gets a Painful Lesson in Middle East Peacemaking”
「中東和平における初心者プレーヤーが痛みを伴う教訓を得た」

 この訳を示したのは毎日新聞ですが、
 つまり、海外の報道を見なければ、
 自国の行動が国際的にどう位置づけられるかが理解できない。

 日本は「主観的に先進国のつもり」と述べたのは、その意味です。
 客観的に見れば、米国の属国で、
 国際的な地位や発言権は極めて低下しているように感じます。
 
 
 報告書はなかったことにする。
 外交は成果があったことにする。
 国会では議論をずらして答にする。

 どう考えても、やっていることは後進国。
 きっと、これでも政権支持率は下がらないのでしょう。
 私など、こういう事態に「カッコわる~」と思うのですが、
 きっと、少数派で、むしろ「最強の対処だ」と積極的に支持してる人が多いのでしょう。

 どこまで、いつまで、井の中の蛙で居続けるのか。
 グローバル化やら、イノベーションやら、
 そんな叫び声だけが、空々しく響いてきます。



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