2019.06.02

年金の話

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 老後という将来を迎えたとき、
 年金だけで生活していくことは難しいのではないか。

 誰しも、うすうす感じていることだとは思うのですが、
 いよいよ、金融庁の審議会で、
「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)が公表されました。

 全54ページを読んではいないのですが、
 将来の収支不足予測として、こんな記述があります。

「前述のとおり、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる」。

 年金だけではまかなえませんと宣言し、
 では、どうしたらいいのかについては、こんな風に。

「人口の高齢化という波とともに、少子化という波は中長期的に避けて通れない。前述のとおり、近年単身世帯の増加は著しいものがあり、未婚率も上昇している。公的年金制度が多くの人にとって老後の収入の柱であり続けることは間違いないが、少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい。今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある。年金受給額を含めて自分自身の状況を「見える化」して老後の収入が足りないと思われるのであれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を行っていく必要があるといえる」。

 報告書の位置づけはよく分かりませんが、
 やっと白状しましたか、というのが最初の印象。

 ただ、
「いろいろとコストがかかりますので、
 消費税上げます、自助努力でお願いします」
 と言われても、事の順序が違うのでは、とも感じます。

 少子化なんて、
 何年も(10年以上でしょう)前から分かっていた話のはず。

 その間、
 社会の構造変化を直視して警告を発する努力を、
 政治なり、行政なりのサイドは続けてきたのか。

 それはともかく、
 自分たちももちろんですが、
 子どもたちの世代に何を伝えなければならないか。

 しっかり考えなければならない時代になりました。


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