2019.05.19
対症より予防
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
ここのところ、日本経済新聞に、
「老朽インフラと闘う」という連載が掲載されています。
たとえば、17日(金)。
橋梁の点検に劣化を予測するシステム導入、
といった話が紹介されていました。
システム開発をした鹿島の担当者は言います。
「対症療法ではなく予防の観点でインフラを維持管理すれば、限られた予算をうまく配分できる」。
国交省の分析では。
「国土交通省は2018年度に5.2兆円だった費用が48年度に最大12.3兆円になると予測する。予防を徹底した場合は6.5兆円で済むがネックは点検員の不足だ」。
桁が大きすぎてピンときませんが、
対症より予防というのは、何事にも通じる話でしょう。
たとえば、昨年、
固定資産に減損損失を計上した会社がありました。
税務上、減損は認められませんので、
計上年度は、減損損失を加算すればいいだけ。
問題は、次年度以降。
会計上の固定資産台帳と、
税務上の固定資産台帳を維持し、
その金額の差異を別表調整する必要があるのです。
先日、現場だったので、
2つの台帳を見比べながら、
アナログで調整数字を拾い上げました。
数字は集計できたので、
申告に必要な手続きは完了。
ただ、このまま放っておくと、
来年、まず内容を思い出すのに時間がかかります。
そして、集計方法を理解するまでは、さらに時間がかかるでしょう。
時間もコスト。
そう考えると、
内容の記憶が新しい今のうちに、
どのように調整数字を集計するかをまとめておくのが効率的です。
ということで、エクセルの表を1枚作成。
1時間以上かかりましたが、
1年後なら倍はかかったはず。
これも、ミスを生まない予防の1つと言えるかもしれません。
対症より予防を。
そのためには、
予防ポイントを把握するためのセンサーを磨き続けることと、
目先の少しの手間を惜しまない感覚が必要なのだと思います。