2019.05.12

都市と農村

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 鷲田清一さんの『濃霧の中の方向感覚』(晶文社)を読んでいます。

 その中に、2016年7月に書かれた
「社会に力がついたと言えるとき」という論考がありました。

 その一部を引用してみましょう。
 地方、という概念の再考についてです。

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P.44

「地方」という言葉は、現在ではつねに「中央」との対比で口にされます。けれども「地方(ぢかた)」はもともと「中央」ではなく「町方(まちかた)」に対置される言葉でした。これについては民俗学者の柳田國男の指摘があります。日本の町は、防塁によって囲われたヨーロッパの都市とは異なって、農村部となだらかに、そして頻繁に交通しあうものでした。「都市と農村」という論考のなかで、柳田は、日本の都市が「もと農民の従兄弟」によって作られたという言い方をしています。つまり都市と農村の問題を都鄙(とひ)のそれとして論じるのは不用意だというのです。都鄙として対立するどころか、農村が都市を食料供給のみならず人的にも支えていた。町人のみならず武士の大半もまた農村から移り住んできた者であった、と。
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 なるほど。
 おそらく、この話、消費税や所得税のあり方にも関係があります。

 なぜヨーロッパで消費税が根づき、
 日本では根づかないのか。

 そのヒントがここにあると思いますので、
 備忘のために書き記しておきます。


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