2019.03.24
民主主義の死に方
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』という本を読んでいます。
著者は、スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラットというお2人。
アメリカにトランプ政権が誕生しましたが、
世界的に、民主主義が曲がり角を迎えている。
その状況を冷静に分析しているのですが、
キーワードが「相互的寛容」と「組織的自制心」。
つまり、制度や法律による強制ではなく、
その担い手の寛容と自制によって維持されてきたのが民主主義。
言い換えれば、極めて危ういとも言え、
過去の叡智や慣習がいとも簡単に捨てられてしまうかもしれない、ということ。
何も、遠い外国を見なくても、
足元でも同じ状況が起きているのではないか。
ここ10年ほど、そんな危機感を抱き続けています。
大阪のダブル選挙について、
政治学者の中島岳志さんはこう語りました。
「憲法や法律といった明文の規定で禁止されていないから、「民意を得れば良い」ということかもしれません。しかし、権力を持つ人の多くは保守派を自任しています。現行のルールの穴を見つけて、先祖たちが失敗を重ねながら築き上げてきた慣習や知恵を無視するのは、私に言わせれば保守ではありません。これは大阪だけの問題に限りません。現代政治の問題点が表れているように感じます」(21日、朝日新聞デジタル)。
慣習。
知恵。
暗黙知。
必要なのは、自分はたまたま今を生きている、という謙虚さなのでしょう。
「「今生きている人」だけでなく、過去の人たちの英知と折り合いをつけるのが民主主義の知恵でした。保守と呼ばれる人たちには、「今」だけを特権化してしまうことは、おこがましいという謙虚さがあるはずです」(同)。
『民主主義の死に方』はアメリカの本ですが、
ときどき、どの国の話をしているのか、分からなくなりながら読み進めています。