2019.03.17

物語を読みたくて

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 所得税の確定申告が終わりました。

 いや、紙提出の場合、明日早朝までは間に合いますので、
 まだ悪戦苦闘している方もいるかもしれません。

 で、1つの山を越えると、物語が読みたくなる。
 かどうかは不明ですが、
 先日亡くなった橋本治さんの『草薙の剣』(新潮社)を読み始めました。

 10代から60代。
 6人の男性を主人公に、
 戦前から平成までの時代を描いた作品です(まだ序盤しか読んでいませんが)。

 ぐぐっとくる何気ない表現が、たくさん詰まっています。

「働くのではなく「学べる」ということが、恵まれた特権であるということが、当時の生徒達には理解されていた」(P.42)。

「「働く」というモティヴェイションを捨てようという気はなかった。働けば金を得ることが出来る――そう思わせる程度に、世の中はまだ少しだけ貧しかった」(P.44)。

「家を出て、仕事を得て、働いて給料をもらっても、それだけではガランとした部屋の空白は埋まらないのだ。…(中略)…時代はもう「生きるために働く」というだけのところから、一歩を踏み出そうとしていた」(P.57)。

「オイルショックという短い息継ぎを経験した時代は、再び新たなる豊かさの達成を求めて進み出した」(P.71)。

 私たちの親世代の話。
 ということは、自分が子どもの頃に、肌で感じていた時代のはず。
 それを繊細な言葉で言語化してくれているような気がしてなりません。

 来週は新幹線での東京出張もあるので、
 本を読む時間をたくさん確保できそうです。


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