2018.03.04

LGBTについて考える

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 個人ブログにもあげましたが、大事な問題だと思うので、そのままアップしておきます。


 先日、とある勉強会である方がLGBTについて発表されました。

 文字として、言葉として、何度も目にしていましたが、その特徴や現状、課題などについて、まとめて話を聞いたのは初めてのこと。

【性的指向】
 L(Lesbian) :女性の同性愛者
 G(Gay)   :男性の同性愛者
 B(Bisexual):両性愛者
【性自認】
 T(Transgender):性別越境者(こころの性とからだの性の不一致)

 10年ぶりに改訂された『広辞苑 第七版』にもLGBTが採録されたのですが、「T」を表現しきれていないということで岩波書店は修正を検討、というニュースが1月にありました。「性的指向」と説明してしまい、「性自認」のTを説明しきれていない、と。

 ただ、先日の発表を聞いて、LGBTがいかに多様であるかも学んだことの1つです。

 からだの性(男・女)。
 こころの性(男・女)。
 好きになる性(男・女・両性)。

 この3つで考えれば、2×2×3=12通りに分類されるのだと。
 
 
 公的調査はないようですが、電通や連合の調査によれば日本でも8%前後の当事者がいらっしゃるそうです。

 資料として色分けされた世界地図(こちら)が配られ、欧米のいわゆる「先進国」では同性カップルを承認している地域が多くなっています。一方、アフリカや中東などでは死刑や厳罰の国もあり。日本はアジアに多くみられる「特定の法律なし」でした。

 あと、そういった「横の関係」の次に来るのが「縦の関係」。つまり、共同養子縁組を認めるのかどうかです。

 先の世界地図によれば、同性カップルの承認をしているのは、47カ国と65地域。そのうち、共同養子縁組を認めているのが、27カ国と28地域です。
 
 
 日本でもパートナーシップ証明を行なう自治体が出てきたり、企業でも社内の取組を強化したり。あるいは、保険金受取可能(生命保険会社)、家族割引適用可能(携帯電話)などのサービスも打ち出されるようになっています。

 ただ、社会全体がLGBTに寛容かというと、まだまだ緒につく少し前くらいでしょうか。選択的夫婦別姓制度ですら認められていない状況。このあたりは『裁判所の正体』(新潮社)で瀬木比呂志さんが語っておられました。「統治と支配」の根幹に触れる事項について、裁判所は動かそうとしないと。

「たとえば夫婦別姓については、まさに「統治と支配」の根幹にふれ、自民党主流派の感覚にもふれますから、絶対さわらない(最高裁二〇一五年一二月一六日判決)。だけど、非嫡出子の相続分については、そんなに大きな問題ではないので、民主的にみえる方向の判断を下す(最高裁二〇一三年九月四日決定)。やや意地悪な見方かもしれませんが、日本の最高裁の判断を注意深くみていくと、大筋としてはそんな感じでバランスを取っている傾向が強いと思います。そして、国際標準の民主主義にかなう判決は、わずかなのです」(P.51)。
 
 
 発表を聞いていた別の方が、ハリウッド映画の『ミルク』を紹介されました。なんとなく引っかかっていて調べてみると、監督はガス・ヴァン・サントさん! 『グッド・ウィル・ハンティング』に感動し、『追憶の森』では「お互いに感情を押し入れの奥にしまいこんだ」という台詞が今でも印象に残っています。

 発表の最後にあったのは、まずは知ることから、ということ。多数派の側に立ちたいのは人間の心情あるいは本能なのかもしれませんが、多くの場面を冷静に見つめれば、自分が少数派にいることは明らかです。ブログを毎日書くのも、映画が好きなのも、朝4時に起きるのも、間違いなくマイノリティでしょう。

 まずは、早速『ミルク』を見てみようと思います。




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