2017.12.03
価値観への挑戦
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
先週ご紹介した議場に赤ちゃんを連れて入るという話。
我が家では、「いいんじゃない、女性が社会に出るって、そういうことじゃないの」という意見が主流でホッとしています。
この話題に限らず、最近思うことが1つあるのですが、それはこれまでの価値観がいかに手垢のついたものだったかということ。
そういう視点で3週間ほど前、別のブログに書いた内容を転記しておきます。
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「文春砲」によってプライベートの問題が報じられ、今回の衆議院選挙で無所属という立場で当選した山尾志桜里さん。
今回、その関係が報じられた弁護士の方を、事務所の政策顧問にすることとなったようです。
おー、すごいなあ。
真正面から来たなあ。
ニュースで聞いた時、最初にそう思ったのですが、山尾さん本人が神奈川新聞の取材でその思いを語っています(その「上」はこちら)。
「「公私にラインを引く」というスタイルが、どこまで社会に認められるのか」
冒頭でこう言った山尾さん。相当の葛藤を抱えていたそうですが、出した結論は、
「公の政治家としての私は、政策や政治哲学、姿勢についてはできる限り率直に答えるが、一方で「私」の部分に一定のラインを引くことに変わりはないということだった」。
そして、こうも語っています。
「直後の記者会見などで私は「男女の関係はない」と答えたが、そうしたことを答える必要さえなかったと今は思う」。
先日、とある勉強会の場で、女性の社会進出がテーマとなったことがありました。その中で「なぜ女性、女性と言うのか」「守ってもらえると甘えるんじゃなく、もっと女性が社会に出てくればいいんだ」「女性だから優秀とは限らない」といった意見もあって、ちょっとクラクラしたのを覚えています。
なぜめまいがしたかというと、おそらく、そういった意見があまりにも男性的価値観に満ち満ちていたから。
男女が不平等であることを直視しない、男女平等感。
優秀かどうかの物差しが男性的であることへの、視点の欠如。
既存の価値観の上に女性も乗ってください、ということではなく、既存の価値観そのものを、むしろ男性側が見直しましょうよ、ということが女性の社会進出の本質なのではないでしょうか。
そうして多様性を広げ、寛容な価値観をつくっていく。
そこから生まれる化学反応を活力に、組織を活性化させていく。
女性の数が問題じゃないとも言われますが、世の中に男女半々いるわけですから、どの場面においても男女半々でもおかしくない。その前提を共有することから始める必要があると、私は思います。
山尾さんの覚悟について、ちらっと見たワイドショーでは支持者の中にも賛否があるようでした。反対の方の言い分はご想像の通りで、やはりけじめはつけてほしかった、といった内容でした。
ああ、なるほど。
山尾さんが挑戦しようと覚悟したのは、こうした既存の価値観なのだ。
ふっと腑に落ちたような気がしました。
山尾さんは政治家となった時、「いまお子さんを誰が見ていますか」と聞かれたそうです。この質問がいかにおかしなものであるか、そろそろ私たちは気づかないといけないのではないでしょうか。
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