2017.11.12
監査の話
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
東芝のような会計不祥事。
日産や神戸製鋼のような品質問題。
こういった問題が起こると、決まって問われるのが「監査は何をしていたのか」ということ。
いや、現実的にはさまざまな困難があるのだとしても、少なくとも監査に対する不祥事を予防するという期待は、良くも悪くも高まってきているように思います。
地方自治体とて例外ではありません。実際に地方自治法は改正され、監査の機能強化が図られようとしています。
もちろん、総論として異存はないのですが、では監査の受け手側や担い手側に、その実態が伴っているのかどうか。
先日、自治体で監査を担っている人が集まる会合がありましたが、もっぱらの話題は自治体の運営に関すること。
税収が減っている。
人口が減っている。
こういう課題がある。
なるほど、それはそれで極めて重要であることを否定するわけではありません。ただ、「監査」という業務に限った時に、そういった問題がどう影響するのか。あるいは、自治体の監査における難しさはどこにあるのか。そういった論点があまり出なかったことに驚きました。かつて事業会社にいた時の「経営会議」に参加しているような印象を持ったのです。
私はむしろ、監査の視点での話題しか準備していませんでしたので、そのまましゃべったのですが、法の求めの通りに監査の実効性を高めようとすると、まずは担い手側の意識や体制も整えていかなければならないのではないか。そんなことを強く感じる場となりました。
自治体の業務は幅広い。
その内容に精通した上で監査をするのも難しい。
だからこそ、研鑽し、情報共有し、意思疎通を図っていく必要があるのだと、私は思います。