2017.11.05
選挙を終えて
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
10月22日、衆議院選挙が行なわれました。
もちろん、私も投票には行ったのですが、その結果は周知の通りです。
その日、私がもっとも驚いたのは衆議院選挙の話題ではありません。同日に行なわれた埼玉県春日部市の市長選挙の結果です。
石川良三さん(現職) 48,453票
岩谷一弘さん(新人) 48,445票
その差、なんと8票です。地元埼玉新聞によれば、衆議院選挙と同日になったことで投票率が49.94%にまで上がり(前回は23.82%)、新人に有利になるという声は事前からあったのだとか。
それにしても8票差というのは驚くほどの僅差だと思いますが、2つのことを感じました。
1つは、今回の衆議院選挙について、一部有識者(と言われる人)から「積極的棄権」を促す言動があったことの無意味さです。今回の選挙には大義がない。あまりにも馬鹿馬鹿しい選挙だ。ここはみんなで棄権して、その馬鹿馬鹿しさを為政者に知らしめる必要がある、と。
大義がなく、馬鹿馬鹿しいという指摘には同意しますが、じゃあ棄権したところでその馬鹿馬鹿しさを自覚してくれるのかといえば、そんなナイーブな政治家はいないでしょう。日本経済新聞も『大機小機』というコラムで、若者に対して、「白票も意思表示の手段だ」と書いていました。バカじゃないかと思います。
棄権も白票も意思表示かもしれません。でも、今の選挙制度でのそういった行動は、現状を何も言わずに容認するということで、与党を利する結果にしかなりません。選挙に行って1票を投じる。それがすべてではありませんが、大事な政治参加の第1歩なのではないでしょうか。まして、8票の差で結果が引っくり返ることだってあるのですから。
もう1つ。先の春日部市長選では、結果的に8票差で当落が決まりました。ですが、数万人の有権者がいる中での8票差なんて、ないに等しいでしょう。つまり、勝ったからといって、自分の支持者だけを向いて行政を司ることは、市民の半分しか見ていないということ。
自分に野次を飛ばす人に対して「こんな人たち」と言った人がいました。一方で、私を支持してくれなかった人をも代表する、と言った人もいました。ボクシングの村田諒太選手は、「これからは負けたエンダム選手の責任も負う」と語りました(選挙とは関係ないですが)。
選挙は大事ですが、選挙がすべてではありません。日常から、他人事ではなくいろんなことに関心を持つこと。いや、関心を持たなければ本当にまずい状態に、残念ながら日本はなっています。
そんなことをあらためて感じた10月22日です。