2017.07.30

議場を見て

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 先日、とある自治体で議場を見る機会がありました。

 議場を見ること自体、初めてではないと思うのですが、以前、どこで見たのか記憶にありません。

 厳かな。

 そんな言葉がピッタリだと思うのですが、首長席があり、議員席があり、答弁をする部課長が座る席があり、傍聴席がある。ここで少なくとも形式的には、いろんな物事が決まっていく。そう思うと、議場を見たのは短い時間でしたが、強い緊張感を覚えました。

 少なくとも、と書いたのは、1つには企業の取締役会の光景が目に浮かんだから。もちろん、取締役会でも様々な議論がなされると思いますが、その俎上に乗る前に、様々な議論が積み上げられているはず。根回しと言うと、何だか悪いことのように聞こえてしまう昨今の風潮ですが、根回しなく取締役会でいきなり議論しようとしても、収拾がつかないだけでしょう。

 もう1つは、議場で議論を積み重ねることは大事だとしても、最後は多数決という手段が待っていること。少数意見も最大限汲み取り、合意形成を目指すのが民主主義。すぐ決まること、スピードある意思決定が重視されがちですが、それが独裁や縁故主義と紙一重なのは、昨今の状況を見ていれば明らかでしょう。

 そう考えていくと、本来議場は「厳かさ」を感じる場所であってはいけないのかもしれません。住民に開かれた場所で、住民の生活に直結することが決められていく。もっとも、厳かさを感じたこちらにも問題があるのだと思いますが。



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