2017.07.02
手垢のついた言葉
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
規制。
既得権。
公務員。
何でもかんでも「悪」だと決めつけられがちな、手垢のついた言葉になってしまった。ここ数年、そう感じています。
たとえば、規制。最近は、「岩盤規制」なる言葉も目にするようになりましたが、本来、規制には一定の目的があったはず。マニュアルと同じで、本来の目的を忘却し、マニュアルを守ること自体が目的化してしまうことは、確かに弊害でしょう。規制も、本来の目的を見失い、ただ規制を守ることを徹底していたら岩盤のようにがちがちになってしまうかもしれない。
でも、繰り返しですが、もともとは目的があって導入されたもの。その目的がきちんと達成されているのであれば、規制は逆に守り続けなければならない、ということになるはず。規制=悪、と捉えているかのような報道にも、かなり食傷しています。
既得権。これは中島岳志さんが、「既得じゃない権益なんてないんです」とおっしゃっていました。まさに。既得権打破を叫んでいるはずの集団が、既に既得権益化している現状を、大阪府民なら目撃しているはずです。
公務員(や官僚)も何かにつけて叩かれがち。守られている人を敵に見立て、その人たちを攻撃することで、喝采を浴びる。そろそろ、そうした風潮が危ういということに気づいてもいいのではないでしょうか。
当たり前ですが、公務員や官僚の多くの方々は、真面目に仕事をしておられると私は思っています。
メディアの報道を鵜呑みにせず、いかに立ち止まって、自分の頭で考えるか。特に40代、50代に、今求められていることは「立ち止まる」ことと、「考えること」だと、私は思っています。