2017.05.21
安定が一番
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
先日、日本経済新聞に、ドナルド・トゥスクEU大統領の紹介記事が掲載されていました。ポーランド首相から転じて、先日再選されたのですが、母国ポーランドは反対票を投じたのだとか。
それはともかく、記事にあった次の記述に目が留まりました。
「市場を重視しつつも、国民生活の安定を優先した穏健で漸進的な政策運営が基本姿勢。「蛇口から出る温かい水を守る政治のほうが大事だ」。首相在任時、地元メディアのインタビューで「野心的な改革」や「大げさな目標」よりも「安定」を国民に提供するのが政治家の仕事だと訴えた」
同感です。大阪で、維新だ、改革だ、と叫んでいる人たちに、ぜひ聞いてほしい。
少しそれますが、日本銀行が期待インフレ率2%を目標にしています。このインフレ率についても、安定が一番、と説いているのが小幡績さん。
「インフレ率が〇%でも一%でも二%でも、どの水準でもかまわない。問題は、人々が予想するインフレ率のコンセンサスがあって、それが毎年ほぼ予想通りであるかどうかということだ。このためには、安定がすべてである。過去も未来も安定していることが、人々の間にコンセンサスをつくり、そしてその予想が必ず実現することを最も容易にする。・・・現実のインフレ率も将来のインフレ率への人々の予想も一%で安定しているのに、この状態をあえて壊そうとしていることである。これほど愚かなことはない」(『円高・デフレが日本を救う』ディスカヴァー携書、P.74)。
日常が安定しているからこそ、たまにジェットコースターにも乗りたくなるのでしょう。毎日がジェットコースターでは、たまったものではありません。
安定・規制に対して、変化・競争が全能のように語られますが、とんでもない話。今日が昨日と同じではニュースにならないかもしれませんが、私たちはニュースのために生きているわけではないのですから。