2017.02.19

撤退のリスク

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 先日、ある方と話していた時のこと。

 お住いの自治体(市)が運営している幼稚園や保育園がどんどん民営化されている、という話になりました。

 ちょうどその日、日本経済新聞の1面トップが、企業型保育園の拡充という話題だったこともあって、なるほど「企業に任せる」「民間でできることは民間でする」という発想が徐々に広まってきていることを再認識した次第です。

 一方で、多少不安にもなりました。その方とも話したのですが、「民間による効率化」と言えば聞こえはいいものの、民間企業に任せた時の最大のリスクは「撤退されること」です。

 民間企業とひと言で言っても様々で、地域への貢献を重視している企業もあれば、儲けることに絶対的な価値を置く企業もあるでしょう。ただ少なくとも、事業として継続していくためには、それなりに利益を確保しなければならないという点は共通しているように感じます。

 では、実際に保育(や教育や介護など)事業を手掛けて、「儲からない」ことが判明した場合(というか本質的に儲けの出る事業ではないようにも思いますが)、どういう意思決定が起こりうるか。

 撤退、でしょう。

 企業は撤退すればいいかもしれませんが、住民は撤退するわけにはいきません。住民の保育は、教育は、医療は、介護は、どうすればいいのか。非効率な運営をしていいとは思いませんが、目先の効率化よりも大事な視点があるということを忘れてはならないと、私は思います。




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