2014.01.18

問題か、答えか

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 1月12日の日経新聞に、北海道夕張市の鈴木直道市長が寄稿されていました。
 鈴木市長は1980年生まれで、東京都職員を経て、2011年から夕張市長を務めておられます。
 全国で唯一の「財政再生団体」。かつての炭鉱の賑わいは消え、人口もピーク時の12万人から1万人を割る水準まで減少。
 ごみ収集の有料化。
 高い水道料金。
 日本で一番高い市民税。
 全市民が借金を返すためだけに働き続ける恐怖を鈴木市長は語られ、最後を次のように結んでおられます。
「皆さんも高齢化、人口減少、財政難という共通した課題を考えるのなら、これを一自治体の問題としてとらえるのではなくて、このケースを乗り越えたらいろんなことに対応できるモデルになるだろう、と考えてみてはいかがでしょうか」。
 まったく異論はないのですが、少し違った視点で、ふと立ち止まってしまいました。
 今、少子化が叫ばれ、担当の大臣までいて何とかしようとしています。でも、「少子化」って「課題」なのでしょうか。人口が減ることが、そんなに「悪いこと」なのでしょうか。
 もちろん、よく言われるように活気がなくなるかもしれません。そのうち、日本が滅びてしまうかもしれません。でも、そうした言質には根拠がないように感じます。
 そもそも、これまで日本は、人口が減るという局面に出くわしてこなかった。つまり、誰も体験したことがない道を歩もうとしている。その時に何が起こるのかについて、根拠を持って説明するのは困難でしょう。
 江戸時代は、長い間3000万人で安定していました。その後、大正14年には6000万人、昭和40年には1億人、そして現在1億2000万人。
 領土が同じなのに、人口は4倍になっています。むしろ、そちらの方が問題と考えることも出来るでしょう。だとすれば、少子化は「問題」ではなく「解決策」ということになる。
 人口減少を食い止める少子化対策も必要かもしれませんが、人口が減少してもやっていける社会を構築する少子化対策を考える方が現実的ではないかと、私は思います。


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