2016.11.13
ビジネスの着眼点
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
昨日の日本経済新聞に、「道路の傷み、定期監視 ALSOK、早期発見狙う」という記事が掲載されました。
冒頭の内容を見ておきましょう。
「綜合警備保障(ALSOK)は道路に段差や穴、ひび割れなどが生じていないか定期的に監視する自治体向けサービスを始める。通常業務で使う車両に加速度センサーを搭載し、走行時の振動などから異常箇所を見つけ出す。専用車両を使う本格的な調査よりも費用が抑えられるとしている。インフラの老朽化が進む中、3年後に100自治体への提供を目指す」。
別にALSOKとは何の関係もないのですが、なるほどなあ、と思いました。
どうせ、自社の車は走らせている(4000台以上)。
だったら、走っている道路について、何か情報を得られないか。
その道路を整備している自治体に対し、情報を提供したらビジネスにならないか。
最初に誰かが閃いたのだと思いますが、その着眼点は見事だなあと感心したのです。
エスカレーターの手をあてがうベルト部分に広告が出ていることがあります。
電車の車両まるごと、広告で塗りつくされていることがあります。
体育館や文化施設のネーミングライツが売買されてもいます。
その善し悪しはおくとして(私はどれも嫌いです)、どんな事業にも「最初に思いついた人」がいるはず。そういう閃きを得るためには、自分の関心を広げておく必要があるでしょう。
先の道路の話でも、「自治体が道路を整備している」「道路の整備費用がバカにならない」「自治体財政は逼迫している」あたりの前提条件がインプットされていないと、とても思いつく話ではないはず。ALSOKなのか、その協力会社なのかは分かりませんが、たまたまそういった関心の広い人がいて、営業車で走っている時にふと思いついたのかもしれません。
ちなみに、費用は料金1kmあたり年2万円。千葉県の実証実験では、向こう50年間の費用(道路整備・補修費用でしょう)を約6割削減できると試算されているのだとか。
さて、安いのか、高いのか。どうなのでしょう。