2014.11.30

生活が一変

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 11月も今日で終わり。明日から12月です。
 総選挙で、街中が騒がしくなってきました。12月のこの時期に選挙をすること、選挙の争点に詭弁が見られることなど、腹が立つことが多いのですが、腹を立ててばかりもいられません。
 こういう時に読み返す言葉は、以前も引きましたが1968年3月18日、カンザス大学で行なわれたロバート・ケネディ上院議員の言葉です。GNPをGDPと読み替えても、同じでしょう。
「GNPの額には、大気汚染を引き起こす活動、タバコの広告、ハイウェイ事故の無残な死体を片づける救急車の出動の費用も含まれています。犯罪が増えて必要になる頑丈な錠前の値段も、それを壊す強盗を収容する刑務所の費用も含まれます。都市が無秩序に拡大して、レッドウッドの森が破壊され、自然の素晴らしさが失われても、それはGNPを増やします。戦争に使うナパーム弾、核弾頭、それに都市の暴動に立ち向かう警官の装甲車の費用もGNPに含まれます。狙撃魔ホイットマンが使ったライフルも、殺人鬼スペックがふるったナイフも、子どもたちにおもちゃを売るために製作される暴力を賛美するようなテレビ番組も、その価格はGNPに含まれます。
 一方でGNPは、子どもたちの健康や、教育の質や、楽しく遊ぶことなどを計算には入れません。美しい詩、夫婦のきずな、公開討論に見られる叡智、公務員の高潔さなども、GNPには関係しません。GNPは、人々の機知、勇気、知恵、学び、思いやり、国への忠誠などを測ることはできません。要するに、生きることを価値あるものにしてくれるものは何も測れないということです。GNPはこの国の国民でよかったと胸を張れるようなことは何も語ってくれません。」
(『経済成長って、本当に必要なの?』ジョン・デ・グラーフ/デイヴィッド・K・バトカー、早川書房、P.38)
 最近、事情があって、ほとんど外出せず、家から半径1km以内で生活しています。今までの生活からは一変したのですが、今まで知らなかった時間を過ごすことで、新たに見えてきたことも多々あります。
 家族と過ごす時間のありがたさ。
 時間の流れは、人それぞれであること。
 環境が変わる時、こだわりを持っていないほうが楽なこと。
 たまご焼きと味噌汁は、意外と簡単に作れること(味は別として)。
 ・・・
 家から半径1kmの生活ですから、きっとGDPに貢献する活動は何もしていません。むしろ、マイナスの影響を与えているでしょう(すずめの涙もない程度ですが)。
 でも、知らないことを知ったことを、間違いなくよかったと思っています。より積極的に、ややオーバーに言えば豊かになったとも思う。
 今まで見えなかったことが、少しずつ見えてきた。そんなことを考えながら、2週間後の選挙に向かいたいと思います。


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