2014.07.19
地方を救うには
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
お約束通り、『国際会計基準戦争 完結編』(磯山友幸さん、日経BP社)を読み終えました。
が、公会計に関しては、先週の『国際会計基準戦争』以上の内容はありませんでした。むしろ、記載が省略されていた。
前作が2002年、完結編が2010年ですから、記載が省略されたことをどう解釈すればいいのでしょう。書かれていないという、そのことそのものに意味がありそうです。
ということで、少し別の話を。
18日の日経新聞「大機小機」に、「公共投資で地方は救えない」というコラムが掲載されました。
地方再生が重要課題の1つとされている。
が、これまでも地方の衰退と東京一極集中のトレンドは止まっていない。
地方にモノとカネは流れ込んだものの、ヒトの流出に歯止めが掛からない。
子育て世代流出→高齢化と人口減→消費低迷→雇用減少
こうした悪循環を断つにはどうすればいいかということで、
・地方の大学に特色ある学部をつくる
・地方に雇用機会をつくる(起業環境整備、相対的なコストの安さ等)
が提言されています。
読みながら思いました。そうかもしれないけれど、そんな難しいことを考えるまでに、簡単に出来ることがあるのではないか、と。
それは、メディアが東京一極集中をやめること。あるいは、成長や、効率性や、グローバル化という言葉づかいをやめること。そういった尺度とは別の視点で考えないと、地方を救うことは出来ないのではないかと、私は思います。だって、どう考えても効率悪いのですから。その効率の悪さをいかにいかすかが、地方を救う上では極めて重要なのではないでしょうか。
ちなみに、『国際・・完結編』で、へえ、そうなのかと思った記述がありました。それは、日経新聞で最古のコラム、「大機小機」の名前の由来です。確たる答えがあるわけではないのですが、第1回に記載された「大小の投機家」(だったと思う)という意味が込められたのではないか。それが、作者である磯山さんの説でした。
大小の投機家(投資家)がいる。
大小の都市がある。
大小の会社がある。
そういった多様性こそ、豊かさの根源です。多様な存在を認めることから、「再生」の1歩が始まるのではないでしょうか。