2014.03.22

印刷に3時間

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 少し前ですが、日経新聞の『記者手帳』という小さな欄で、「議会改革、印刷から」という記事が掲載されました。
 2014年度予算案を採決することになった本会議。ところが、その印刷に3時間かかるということで、週末に地元に帰りたい議員さんたちはやきもき。効率的な議会運営を、うんぬん、といった話でした。
 驚いたのは、印刷に3時間、という話そのものではなく、埼玉県飯能市や神奈川県逗子市など、タブレット端末を市議に貸与している自治体があること。話の流れからすれば、資料の印刷作業を省略することで、時間を有効に活用している、ということだと想像します。
 パソコン(タブレットも同じでしょう)を持って会議に参加する。これって、良し悪し、両面があることに注意が必要ではないでしょうか。確かに印刷は省けますし、その場の話題の備忘記録が、その場で作れます。
 一方、極端な話、会議の議題以外のことを考えることも可能になってしまいます。会議にもいろいろあるでしょうが、自分に関係があること、興味があることばかりとは限りません。つい、そうした隙間時間を、ネットを見たり、ツイッターに投稿したりといった違うことに使ってしまう。そんなことも起こるのではないでしょうか。
 予算案にしても、確かに印刷は時間がかかるかもしれませんが、おそらく画面で見て実感できるものではないはずです。
 私は、自分の確定申告は、未だに紙に手書きして提出しています。数字を一度、身体に通す。そのためには、手書きすることが、もっとも有効です。画面でぱちぱちは便利でいいですが、それだけでは、どうも数字を「実感として」理解することができないたちのようです。
 国や自治体にとって予算が大切なことは、これまでも何度か触れてきました。その大事な予算を、身体感覚を通じて理解する。そのためには、紙に印刷して、紙を眺めて、ページを繰る。その作業を欠かすことは出来ないのではないかと、私は思います。


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